小学生の子「叱るとがんばる、ほめるとサボる」に潜む親の問題

子どものテスト結果だけに注目し、ほめたり叱ったりを繰り返してはいないでしょうか。成績は、単発の結果ではなく、全体で見る必要があります。目先のことに親が一喜一憂しては、いい影響を与えません。中学受験専門塾「伸学会」の代表・菊池洋匡氏が、効果的な学習メソッドを紹介します。※本記事は『「しつけ」を科学的に分析してわかった 小学生の子の学力を「ほめる・叱る」で伸ばすコツ』(実務教育出版)より抜粋・再編集したものです。

親は「何をほめるのか、何を叱るのか」確認しておく

「ほめる・叱る」とは、メッセージを伝えることです。ほめるは「これは良いことだ」と伝え、叱るは「これは悪いことだ」と伝えます。言われてみると当たり前です。しかし、この当たり前をわかっていても、落とし穴にはハマるものです。

 

●すべては子どもに良い行動を取ってもらうために

 

ほめたり叱ったりするときに、何をほめるのか、何を叱るのかをあらかじめ確認しましょう。そうでなければ、こちらの意図しないメッセージが知らず知らずのうちに伝わってしまうかもしれません。お子さんに伝えたいメッセージは何でしょうか?

 

それは、「結果ではなく行動に目を向けて考えよう。良い行動を増やすことを意識しよう」でしたね。ですから、「子どもに取ってほしい結果」ではなく、「子どもに取ってほしい行動」を考えてください。それができたときにはほめて、できなかったときには叱るようにしましょう。

 

 

大人は、ついつい成績ばかりを気にして、ほめたり叱ったりしてしまうものです。なぜなら、そのほうがラクだからです。行動を評価しようとしたら、子どもの行動を日々よく観察しなければいけません。これは大変な時間と手間がかかります。それに対して、結果を評価するのは、自分の都合で見たいときに成績表を見るだけです。仕事における人事考課も、営業成績で機械的に決めるほうが、行動で評価するよりもラクですよね。

 

しかし、結果それ自体には残念ながら再現性はありません。ほめたところで、もう一度良い点を取れるとは限りません。テストの点数に対して、「100点取ってすごいね!」と声をかけたとします。このほめ言葉が伝えているメッセージは何でしょうか? 「100点を取るのは良いことだ」です。下手をすると、「100点を取れなければすごくない」と受け取られるかもしれません。

 

子どもは、次回もテストで100点を取りたいと思うでしょう。しかし、次のテストが難しい単元だったらどうなるでしょう? どうやって100点を取ればいいのか、その方法は先ほどのほめ言葉に含まれていません。100点を取るための方法は、子ども任せになってしまいます。

 

子どもが「今回100点を取れたので、次回も同じように勉強しよう」と思っても、それでは100点を取れないかもしれません。そうなると、ほめてもらえないわけですね。100点を取りたいけど、どうすればいいのかわからない。そんな状況に陥ってしまうと、手段を選ばない子なら、カンニングや採点時の誤魔化しをすればよい、という考えに至っても不思議ではありません。実際に、こういう行動に走る子は多くいます。

 

伸学会でも、授業最初の小テストの答え合わせの際、自分の答えをあとから書き換えて正解にしようとする生徒がいます。そういう子は、「100点の答案を持っている」という結果が大事だと、これまでの経験で思わされてきたということです。

 

また、宿題ノートでも間違えた問題を消して書き直して、すべて〇をつけて提出する子がいます。成績アップのためには、自分が何を間違えたかの履歴はとても貴重な情報ですが、自分でそれを消してしまうのです。もったいないですね。これもやはり、「正解がノートに書かれていて、〇がいっぱい並んでいる」という結果が大事だと思ってしまっているということです。

 

●具体的な行動をほめ、改善方法がわかるよう叱る

 

あらためて考えてください。お子さんにどうなってほしいですか? そのために、なぜほめるのですか? 私は、「賢くなってほしい」「わかることが増えることを楽しんでほしい」から、ほめるのだと思います。そのためには、子どもには「賢くなるような学習を取ってほしい」「前より実力を高めるような行動を取ってほしい」というメッセージを伝えましょう。

 

そして、「これが賢くなる学習だから続けてね」と伝わるよう、子どもの目に見える行動になるまで具体的にほめましょう。「間違えた問題を正解できるまで解き直ししたんだね」「算数の問題で図を書いたんだね」「社会で知らなかった言葉の意味を調べたんだね」。ここまで具体的にほめて、ようやく子どもの行動に変化が現れます。「これをやればよかったんだ、この学習を続ければいいんだ」となるのです。

 

 

叱るときも同じです。「0点を取った」ことを叱るだけでは、方法を示していません。「宿題をやっているかいないか、どれくらいやっているか」「宿題の丸つけをしているか」「間違えた問題に印をつけ、もう一回解いているか」など具体的な行動に注目するのです。

 

点数が低いことを責めるだけで正しい行動を示さなければ、それはパワハラと言ってもいいでしょう。自分に置き換えてみてください。「売上を上げろ! そのための方法は自分で考えろ!」。そんな風に言われたら、どうしていいか困ってしまいますよね。

 

子どもにとって、アドバイスなしで正しい学習法に気づき、実践するのはとても難しいことです。「売上を上げろ!」と言うだけでなく、ちゃんと方法も説明してあげる、ということですね。

 

子どもには、「結果ではなく行動が大事だ」「良い行動を取れるかに意識を集中しよう。結果はあとからついてくる」というマインドを持たせたいですね。そのために、結果ではなく行動に対して声かけをするようにしていきましょう。

 

◆まとめ◆

ほめる・叱ることで、どんなメッセージを子どもに伝えているのか考える。結果だけをほめても再現性はない。良い行動を見つけて認めてあげることで、今後も継続できるように導こう。叱るときも、結果だけをただ叱るのでは子ども任せ。どんな行動が結果の原因なのか振り返り、改善策作りまでを手伝おう。

 

 

菊池 洋匡

中学受験専門塾 伸学会 代表

 

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中学受験専門塾 伸学会 代表

算数オリンピック銀メダリスト。開成中学・高校・慶應義塾大学法学部法律学科を卒業。

10年間の塾講師歴を経て2014年に伸学会自由が丘校を開校し、現在は目黒校、中野校、伸学会Primaryと4校舎を運営。中学受験の第一志望校合格者は4人に1人と言われる中、毎年40%以上の子どもたちを第一志望校に合格させている。

「自ら伸びる力を育てる」というコンセプトで、少人数制のアットホームな雰囲気の中、学力の土台となる人間性から作り上げる指導を徹底。メインとなる中学受験本科コースでは、算国理社以外に「ホームルーム」という独自の授業を実施し、スケジューリングやPDCAといったセルフマネジメントの技術指導に加え、成長するマインドのあり方を育てるコーチングを行う。それらの内容はすべて最新の教育心理学の裏づけがあり、エビデンスに基づいた指導に対し、特に理系の父親たちからの支持が厚い。伸学会の指導理念と指導法はメルマガでも配信し、現在約4500人の悩める保護者が購読。

生徒の9割以上は口コミと紹介とファンになったメルマガの読者から集まっている。著書に『「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法』(秦一生氏との共著、実務教育出版)『「記憶」を科学的に分析してわかった 小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』(実務教育出版)がある。

●伸学会HP http://www.singakukai.com/
●Youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UCpmIx1eakUt4zHDLTzUF7eA

著者紹介

連載小学生の子の学力を「ほめる・叱る」で伸ばすコツ

「しつけ」を科学的に分析してわかった 小学生の子の学力を「ほめる・叱る」で伸ばすコツ

「しつけ」を科学的に分析してわかった 小学生の子の学力を「ほめる・叱る」で伸ばすコツ

菊池 洋匡

実務教育出版

「なんで、ちゃんと勉強しないのか!」と怒ってばかりの親御さんのための本。 何度も同じことでお子さんを叱っているとしたら、その叱責は子どもの行動改善の効果がないということ。子どもが同じ失敗を繰り返しているのと同…

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