人生100年時代、老後の資産形成は、いまや日本人の重要課題といえますが、資産形成の一手法である「投資」に悪印象を抱いている人は少なくありません。インベスコ・アセット・マネジメント株式会社のグローバル資産形成研究所によると、「かつては日本で美徳とされた貯蓄という行動は、過去のように日本社会を豊かにする役割を果たせなくなった」と述べています。よって、日本人は資産形成の一手段である「投資」について理解を深める必要があるのです。今回は、投資に関する新しいマインド・セット(思考様式)について解説していきます。

 

しかし、上述したようなポートフォリオは、この令和の時代において適切とはいいがたいものです。また、昭和の時代、海外への投資には手続きや手数料など高いハードルがありましたが、現在は個人が海外資産へ自由にアクセスできる環境が整っています。

 

振り返れば、平成の時代の多くの日本人は、資産バランスや経済成長率の両面から海外資産を保有しておくべきでした。そして、今後は海外資産の保有を当たり前の状態にしておくことが望まれています。そのためには「日本人が海外投資をすると、日本が豊かになる」というマインド・セット、つまり、日本人として世界経済と共に歩みながら、世界の大きな富を取り組んでいくという意識が大切になるでしょう。

 

また、日本に暮らす一人一人の豊かさの総計が日本の豊かさとなります。かつての日本が鎖国を解き、国際的な貿易で豊かになったことと同様に、「海外への投資から、日本へ富を還流させて、日本を豊かにする」というマインド・セットを持つことが大切と考えます。

 

上述した通り、日本は、様々な面で大変に素晴らしい国です。そして、多くの日本人にとっての「海外投資は、人生のリスクを下げる」という点でプラスの効果をもたらします。そして、自身の総資産を日本円だけでなく、米ドルなどの他の通貨でも把握していく習慣が、為替の値動きに一喜一憂せず、真にバランスの良いポートフォリオを維持してくために大切となるでしょう。

世のなかの仕組みから「投資の本質」を考える

・人的資産を社会参加させること(働くこと)

・金融資産を社会参加させること(お金の投資)

 

上述の社会参加における大きな目的の1つは、自身の生活水準(すなわち購買力)を世界レベルで維持していくことにあります。そのためには、「投資のリターン目標として世界の一人当たりGDPの成長率を目標とする」意識が重要です。過去数十年、そして今後についても、おおむね5%という名目利回りの目標が、長期の資産形成をしていく上でのよい目安となるでしょう。

 

また、経済は主として民間企業の活動で成り立っているため、世界の上場企業を通じて世界経済と自身の結びつきを強めておくことが、皆さんの資産形成の大切な柱になるでしょう。民間企業への株式投資においては、その株が上がるか下がるかということ以前に、応援やモニタリングという「株式投資の本質的な意味合い」を知ることが大切です。

 

株式投資とは、一個人が世界のトップ人材と長期的に同じ経済的立場に立てるという公平な仕組みであるとの認識が、自身の生活水準(購買力)を維持する助けとなるでしょう。また、パッシブ型の投資信託やETFなどに関連する株価指数についても、「その本質は、誰がどのように作っているかで大きく異なる」ことを理解するのも大切と考えます。

短期売買のアドバイスに耳を傾けないことが重要

私たちが投資からの収入を長期で得ることは、社会全体にとっても好ましい活動です。「投資とは、社会を豊かにし、その豊かさの一部を得ること」であり、金融市場で短期売買を繰り返してお金を得る行為は、本質的なものではありません。他人の損を受け取るギャンブル的な投資からは距離をおくこと、つまり「短期売買のアドバイスに耳を傾けないこと」が多くの方にとって大切と考えます。

 

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※本記事は、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社のインベスコ グローバル資産形成研究所レポート「100年時代のお金について考える」として公開されたものです。

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