大損か大儲けか?株式投資の「最高値」を読み切る手がかり

株式投資で最も大切なのは「利益確定のタイミング」。高値を読み切り、確実に利益を確定させるには、どうすればよいのでしょうか。実際のローソク足とともに「売り時」を解説します。※本連載は、石井勝利氏の著書『株価チャートの鬼100則』(明日香出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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株価上昇後、「小さな陰線」が連続したら凋落のサイン

図表1は、急激な上げの後に注意が必要な足である。

 

[図表1]大陽線の後の「連続陰線」は上値限界

 

株価が勢い良く上げてくると、「我も我も」と、買いが湧いてきて、出来高も増える。これは、誰も止めることができない投資の行動である。それが株価に勢いをつけ、上げを加速する。

 

しかし、そのような時こそ、慎重さが大切である。株価の勢いはいつまでも続くわけではない。皆がそのように考えてトレードしているので、少しのバランスの狂いで暗転しかねない。

 

大切なシグナルは、大陽線の後に出てきた小さな陰線である(図表1)。二つの迷いの陰線があり、その後が大切で、割合大きな陰線が出る。これを見た投資家は、「下がるな」と感じるので、「利益確定の売り」が多くなる。

 

これまで、強気一辺倒で買いを入れていた投資家が買うのを止める。買いを止めて売りに回る。この傾向が強くなると、株価は下落に向かう。

 

結果的に、株価は凋落する。買いが買いを呼ぶ傾向から、売りが売りを呼ぶ傾向になってくる。こうなるので、信用の売りはチャンスだが、現物の買いは手持ちの銘柄を手放す方が賢明だ。

 

チャート提供:「みんなの株式」(https://minkabu.jp)
[図表2]6501 日立製作所 チャート提供:「みんなの株式」(https://minkabu.jp)

 

投資は逃げ時を間違うと、結果はうまくいかない。儲けは大きく、損はできるだけ小さくする投資の方法が、「負けない投資」の鉄則である。

極めて明確な天井圏のシグナル「首つり線」

「首つり線」は、極めて明確な株価の天井圏のシグナルである(図表3)。窓を開けて上げた位置に、胴体(実体)部分は短く、下ヒゲの長い「首をつった」形のローソク足として現れる。

 

[図表3]「首つり線」の大天井に注意

 

高く寄り付いたが、高値での売り物が多く、売られて株価が下値に振られた。そして戻しはしたが、一時は利益確定の売りに大きく売られた模様が見てとれる。

 

ここが大切である。戻しはしたが「大きく売られた」という事実が、「ヒゲ」となって残る。この足を見て、投資家は「そろそろ売らないと、上値限界かな」という感覚を持つ。その思惑が翌日に現れる。

 

「天井だろうから売ろう」という注文が殺到して、一段安く寄り付く。この動きを見て、さらに売りが殺到して、上ヒゲを付けた陰線の足が出る。

 

こうなれば、「もう限界だ」と感じる人が増え、売りが売りを呼んで、トレンドは下降していく。

 

窓を開けて上がった株価は、今度は窓開けで下落する。天井圏での出来高は最高に達して、クライマックスを迎える。このように株価は売りと買いの力関係なのだ。

 

チャート提供:「みんなの株式」(https://minkabu.jp)
[図表4]9984 ソフトバンクグループ チャート提供:「みんなの株式」(https://minkabu.jp)

 

陽線には違いないが、「首つり線」は、言わば下ヒゲの足。これが下値に出れば、反発、底値からの上げのシグナルだ。しかし、天井圏に出ると意味が違ってくる。形だけでなく「どこで出るか」を見極めよう。

大陽線の翌日に「陰のはらみ線」が出たら下落傾向

上値で窓を開けた上ヒゲ陽線が出ると、市場に「高値意識」が漂うことに注意が必要になる。

 

高値圏でいきなりの窓開け陽線となれば、次には「窓埋め」(窓が開く前の高値まで株価が戻ってくること)が意識されてくるのは、仕方のないことだ。銘柄を持っている投資家は、一種の「高所恐怖症」に襲われるものだ。

 

その心理状況が表れるのは、次の日の陰線である。前日の株価と比べて安寄りして、さらに、株価は下げる。こうなると、「陰のはらみ線」(図表5)となり、弱い足になる。

 

[図表5]上放れ上ヒゲ陽線の後に「陰のはらみ線」

 

前の日の陽線とこの陰線を合わせれば、「首つり線」に近くなる。ローソク足は、1日だけではなく、2日すなわち2本の線を組み合わせることで、明確に形の特徴が見えてくる。

 

結果的に、前項でお話しした首つり線となるので、その後の株価は下落傾向になるのだ。

 

この需給関係の流れをしっかり読んで、トレードすれば、株価の方向性を極めて高い確率で読んでいけるので、成功の確率が大きくなる。

 

株で大切なのは、利益確定のタイミングである。いかに含み益が多かろうとも、それは「絵に描いた餅」。高値を読み切り、確実に利益確定をしたい。

 

チャート提供:「みんなの株式」(https://minkabu.jp)
[図表6]2681 ゲオホールディングス チャート提供:「みんなの株式」(https://minkabu.jp)

 

 

石井 勝利

経済評論家

 

 

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経済評論家

早稲田大学政治経済学部卒。1939生まれ。宇都宮工業高校から、高卒で文化放送に就職。働きながら夜学独力で大学を出た苦労人。政党機関紙の記者を23年勤めた後、住宅、金融等の著作、評論活動で独立。

明日香出版社では、『日本経済新聞を120%読みこなす法』『マンガ版 生まれてはじめて株をやる人の本』等で、10万部超のベストセラーを連発。最近は複数のペンネームで、デイトレ対応、チャートの読み方、5分足チャート、仕手株本などを手がけ、ヒットを飛ばす。投資生活45年超、著作は300を超え、安定したファンがある。

【Twitter】@kabu100rule

著者紹介

連載百戦錬磨の個人投資家が明かす「株価チャートの鬼100則」

株価チャートの鬼100則

株価チャートの鬼100則

石井 勝利

明日香出版

「チャートはローソク足だけでいい」。 「株の鬼100則」の続編が、満を持して登場! 約45年にわたる株式投資の経験を活かした老練の技で、本当に勝てる時を見定める「眼」を養う! 江戸時代の米相場から伝わる「酒田五…

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