2050年には97億人に…それでも世界人口が減少トレンドなワケ

世界人口は予測では今後も増え続けますが、実は増加率は1967年をピークに低下し続けています。そもそも、人間も生物なので、繁栄の頂点ののち減少トレンドに突入するという宿命は免れられません。しかし、それは「滅亡」に向かうネガティブなものではなく、「経済成長」というゲームを終わらせ、「真に豊かで生きるに値する社会」を成すという明るい未来だと山口周氏は指摘します。世界人口の今後の動きについて解説します。※本連載は山口周著『ビジネスの未来』(プレジデント社)の一部を抜粋し、編集したものです。

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全世界の人口成長率が減少し人口は天井へ達する

モノがあまねく行き渡った需要飽和社会において、GDPも労働生産性も「軟着陸」の様相を示しています。このような指摘に対しては、地球の人口がまだまだ伸長する以上、新たな需要は生まれるはずだという反論があるかもしれません。さて、どうなのでしょうか。

 

人口動態を確認してみましょう。日本の人口がすでに減少トレンドに入っていることはご存じの通りですが、ここではまず世界の人口から確認してみましょう。国連の最新のデータによれば(2019年7月2日発表)世界の人口は2019年の77億人から2030年の85億人(2019年比10%増)へ、さらに2050年には97億人(同26%)、2100年には109億人(同42%)へと増えることが予測されています。

 

このような数字を確認すれば「なんだ、これからも増え続けるんじゃないか」と思うかもしれませんが、ここで確認しておきたいのが「増加率」です。

 

図表1を見てください。

 

[図表1]世界人口および人口増加率の推移

 

これは1750年から2100年までの人口およびその増加率の推移を表したチャートです。このグラフを見ると、人口が2100年に向けて少しずつカーブをなだらかにしながらも増加していく一方で、増加率のほうはすでに1960年代にピークを迎え、急激に低下しつつあることがわかります。

 

より正確に記述すれば、世界の人口増加率がピークを迎えたのは1967年のことです。そこから半世紀にわたり、人口増加率は低下の一途をたどっています。1960年代にピークを迎え、以来半世紀をかけて明確な低下トレンドにあるという点で、先進国のGDP成長率のグラフ(図表2)と瓜二つだということがおわかりいただけると思います。

 

出所:世界銀行ウェブサイトをもとに筆者集計
<br>(https://data.worldbank.org/indicator/NY.GDP.MKTP.KD.ZG)
[図表2]先進7カ国のGDP成長率 出所:世界銀行ウェブサイトをもとに筆者集計 (https://data.worldbank.org/indicator/NY.GDP.MKTP.KD.ZG)

 

ここにもまた18世紀から上昇を開始し、20世紀半ばにピークを迎えたのちに急速に減速していくという、急峻な山型カーブの相似形を確認することができます。言うまでもなく、経済の規模を確定する需要の総量は最終的には人口に左右されることになるわけですが、その人口の成長率はすでに50年前にピークを過ぎ、近い将来にはほとんど増加しない「定常状態」になると考えられているということです。

 

ライプニッツ 代表 独立研究者
著作家
パブリックスピーカー

1970年東京都生まれ。神奈川県葉山町に在住。慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院文学研究科美学美術史専攻修士課程修了。

電通、ボストン コンサルティング グループ等で戦略策定、文化政策、組織開発などに従事。『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)でビジネス書大賞2018準大賞、HRアワード2018最優秀賞(書籍部門)を受賞。

その他の著書に、『劣化するオッサン社会の処方箋』『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』『外資系コンサルの知的生産術』『グーグルに勝つ広告モデル』(岡本一郎名義)(以上、光文社新書)、『外資系コンサルのスライド作成術』(東洋経済新報社)、『知的戦闘力を高める 独学の技法』『ニュータイプの時代』(ともにダイヤモンド社)、『武器になる哲学』(KADOKAWA)など。

(的野 弘路=撮影)

著者紹介

連載日本人はコロナ後の世界をどう生きるべきか

ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す

ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す

山口 周

プレジデント社

ビジネスはその歴史的使命をすでに終えているのではないか? 21世紀を生きる私たちの課せられた仕事は、過去のノスタルジーに引きずられて終了しつつある「経済成長」というゲームに不毛な延命・蘇生措置を施すことではない…

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