相手が読みやすい書き方、レイアウトを心がける
多忙な相手に時間をとらせないためにも、ビジネスメールの内容は簡潔で相手に読みやすく作成することがポイント。そのためメールは1案件あたり1文書とし、ひと目で用件がわかる件名にします。さらに長文は避け、フォーマットに沿ってわかりやすくレイアウトします。
また、ビジネスメールの誤送信は、内容によっては個人情報の漏えいや守秘義務違反に発展することもあるので、送信前に入念なチェックをすること。漠然と見直すのではなく、チェックポイントを1つずつクリアしていくと、見落としを防ぐことができるでしょう。
●メール作成の基本
1 メールに1用件が原則
2つ以上の用件(案件)を入れるのは、相手を混乱させるもと。また、長文になって読みにくくなります。また、双方が後からチェックするときも便利です。
★複数の用件があるとき
「別件にて、改めてお送りします」と書き添えます。
2 テキスト形式で送る
ビジネスメールは、「テキスト形式」が主流。送る相手が見やすい形式で送りましょう。
3 件名はひと目でわかるものに
「○○企画の打ち合わせの件」「サンプルチェックのお願い」など、何の用件かひと目でわかるように明記します。
★件名の後ろに社名と名前を入れても
「○○製品発表会のご案内(△△商事小池)」と、件名+(会社名・名前)を入れると、件名のみで誰からのメールかがわかり、迷惑メールと勘違いされることがありません。
4 5W3Hを意識してわかりやすく
伝えるべき内容を次の要素を確認、整理しながら書くようにします。
Who:誰が
When:いつ
Where:どこで
What:何を
Why:なぜ
How:どのように
How much:いくら(金額)
How many:どのくらい(量)
5 1行30字程度
読みやすいレイアウトになるよう1行は30字程度に。長くなるときは区切りのよいところで改行します。段落を入れたいところを1行空白にすると、すっきりします。ただ、先方がスマホで確認する場合、頻繫に改行を入れると、かえって読みづらくなるので気をつけましょう。
6 環境依存文字や絵文字は使わない
cm、①、(株)、ローマ数字などの環境依存文字は、相手の環境によっては文字化けの原因に。また、いくら親しい間柄になっても、絵文字をビジネスで使うのは不適当です。
7 添付ファイルは容量を確認してから送る
大容量ファイルを添付しても、相手の容量によっては届かないことがあります。通常、2MBまでを目安に。容量が多くなる場合は、会社で指定されている「大容量ファイル送信サービス」を使うとよいでしょう。また、ファイルを作成したソフトを相手が持っていないと開封できないので、事前に確認しておくことが大切です。
こんなときは?
▼相手の名前の漢字がわからない
間違った漢字で名前を書くのは失礼です。電話でアドレスを聞いた場合、名前の漢字も確認しておくことが大切ですが、わからないときはカタカナでもよいでしょう。
●基本フォーマット(社外向け用)
① 宛先:「会社名、所属部署、氏名+敬称」でアドレス登録をしておくと、呼び出し機能を使ったときに似た名前があっても誤送信を防げます。
② CC:先方の担当者が2名以上の場合や、社内の人との情報共有をする場合に使います。
③ 件名:ひと目でわかるものに。また、最後にカッコで自分の会社名と氏名を入れておくと、誰からのメールかすぐにわかります。
④ 添付:資料や画像などは2MB以内にします。
⑤ 宛名:会社名・役職・名前の順で、2行以内に収めます。なお、やりとりが多い場合は、会社名と名前、または名前だけでもかまいません。
⑥ あいさつ:冒頭は「いつもお世話になっております」などでOK。時候のあいさつや「拝啓」などの頭語は不要です。
⑦ 名乗り:自分の会社名と氏名を毎回名乗ります。
⑧ 本文:メールを送る目的を簡潔にまとめます。
⑨ 結び:最後は「よろしくお願い申し上げます」などで結びます。
⑩ 署名:自分の会社名と氏名、会社の住所、電話番号、メールアドレスのほか、会社のURLなどを入れます。
●メール作成の注意点
★誤解を招く表現は避ける
人によって解釈はいろいろ。あいまいな表現は避け、お互いの認識が一致するよう、具体的に書きます。
✕ 来週早めにご回答をお願いします
〇 6月15日(月)16時までにご回答をお願いします
⇒ 来週早めとは、何曜日までをいうのか不明。また時間もあいまい。
✕ いくつか案をいただけると幸いです
〇 3案以上のご提案をいただけると幸いです
⇒ ほしい数が2個か3個なのか、それ以上なのかわかりません。
★要点は箇条書きに
要点は、文章よりも以下のような箇条書きが明確に伝わります。
◆日時6月3日(水)14時~15時
◆場所ABC文化センター 8階 大会議室A
◆内容新製品発表会
★段落ごとに1行空ける
1行は30字程度にし、長くなる場合は、段落ごとに空白行を入れると読みやすくなります。また、メールはできるだけ1画面に収めて、スクロールしなくても全面読めるようにします。
送信前のチェックポイント
□ 宛先のアドレスに間違いがないか
□ 内容がすぐわかる件名になっているか
□ 宛名の社名、部署名、名前に間違いがないか
□ 伝えたい内容が、全て入っているか
□ 誤字脱字、漢字の変換ミスがないか
□ 適切な敬語が使われているか
□ 相手が不快に思う表現になっていないか
□ 署名がきちんと入っているか
送信ボタンを押してしまったら、間違いに気づいてもどうすることもできない。トラブルを防ぐためにも、送るときは確認をしっかりすることを忘れずに!
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