報告、連絡、相談は仕事の基本
会社は、チームで仕事を行っています。そのため、「報告・連絡・相談」(ホウレンソウ)で情報を共有していないと、仕事をスムーズに進めることができません。リモートワークや、勤務時間が自由な働き方が増えている今は、特に情報共有のホウレンソウを密にとることが求められます。
報告や連絡を怠ると、ミスやトラブルを招くばかりか、仕事が滞る事態にも。また、小さなミスも黙っていると、大きなトラブルに発展しかねません。何かあったら、すぐに上司へ相談をすることが、トラブル回避や損害を抑えることにつながります。仕事では、ホウレンソウを徹底するようにしましょう。
●「ホウレンソウ」でコミュニケーションを
報告・連絡・相談の3つのアクションは、一緒に仕事をしている人たちとコミュニケーションをとりながら、円滑に仕事を進めていくものです。
※リモートワークでのホウレンソウ
メールや電話、web会議ツールを使って、こまめにホウレンソウを。なお、相手に正確に伝わるよう、わかりやすく簡潔な文面を心がけることが大切です。
●仕事で心がけたい「ホウレンソウ」
★報 告
仕事の指示を受けた上司、先輩に、仕事の状況をこまめに報告します。相手も進捗状況がわかり、安心します。また、ほかの仕事の調整や準備もできます。
▼仕事の進捗状況
▼仕事の途中経過、結果報告
▼ミスやトラブルの報告
「Aの件ですが、〇〇社の山本様より、先日うちが提案したもので進めてほしいと連絡がありました」
★連 絡
仕事の状況や情報を共有するために、社内外の関係者に連絡をします。連絡事項は、メール、電話など、内容や緊急性に応じ、適した伝達ツールを使います。
▼打ち合わせの日時(変更も含む)
▼仕事内容の変更
▼会議の議事録や決定事項
「〇〇社の企画部との打ち合わせですが、7月3日(水)14時からオンラインで行うことになりました」
★相 談
わからないことがあるときや、問題が起きたりしたときは、上司に相談します。仕事に関する悩みや、職場の人間関係に関しても、一人で悩まず相談を。
▼仕事の内容や進め方
▼自分では判断に迷うとき
▼お客様からクレームがあったとき
「Bの件ですが、〇〇社の担当の須藤さんから、まだ回答をいただいておりません。いかがいたしましょうか」
●報告のしかた
報告するときは、自分勝手な解釈で伝えたり、感情的に話したりすると、相手は間違った情報を事実と認識してしまいます。必ず「事実」だけを正確に伝えましょう。
①報告内容を整理する
相手にわかりやすく伝えるために、「5W3H」で内容を整理します。
②相手の都合を聞く
話を聞いてもらえる状況か、相手の都合を聞きます。相手が忙しいときは避けましょう。
「Aの案件で、報告したいことがあります。今、お時間よろしいでしょうか。」
③結論から先に述べる
結論から述べます。先に詳細をダラダラと述べると、相手は「結局、何が言いたいんだ」と思ってしまいます。
④事実を報告する
自分の意見や憶測ではなく、結論に至るまでの事実のみを簡潔に話します。
●ポイント
★仕事の指示をした人(上司や先輩)に報告をする。
★報告は、事実だけを正確に話す。
★上司に「あの件はどうなっている?」と聞かれる前に報告をする。
★ミスやトラブルなど悪い報告は、対策や検討を急ぐので、早めにする。
★リモートワークの場合、メールでこまめに報告をするようにする。
上司への報告のタイミングがつかめないとき
上司のことをよく観察し、会議や食事から帰ってきたときや、飲み物を飲んでいるときなどを見計らって話しかけます。その際、「Aの案件で、報告があります」と、何の用件かを話した上で、相手の都合を聞きましょう。そのときに時間がとれなくても、上司は必ず時間をつくってくれるはずです。なお、報告の内容によってはメールで報告をし、「Aの案件の報告を先ほどメールいたしましたので、ご確認ください」と、デスクにメモを置いてもよいでしょう。
●連絡のしかた
連絡は、口頭、メール、電話、文書、メモなどを使い、確実に相手に伝えることが大切です。
★迅速に伝える
連絡が遅くなることで、仕事に支障が出ることも。連絡事項は早めに伝えることが大切です。
★メールやSNSなどで情報を共有
プロジェクトチームなどで仕事をする際は、グループメールやチャットアプリなどを活用して、必要な連絡事項を共有します。
★正確かつ簡潔に伝える
仕事の関係先からの問い合わせ、スケジュールの変更などの連絡は、「5W3H」で内容を整理し、事実をそのまま伝えます。
●相談のしかた
何でも相談するのはNG。まずは自分で考えたり調べたりし、その上で解決できない、判断できないというときは、内容を整理してから相談しましょう。
①相談内容を整理する
相手が理解できるよう、相談したいこと、事実関係、自分の考えなどを簡潔にまとめます。前もって、相談内容を箇条書きにしたメモを作成し、それを見ながら話してもよいでしょう。
②相手の都合を聞いた上で相談する
相談内容によっては時間がかかる場合があります。相手の都合を聞き、相談の時間をつくってもらいます。
「相談があるのですが、お時間をとっていただけませんでしょうか」
③アドバイスをもらったら、あとで結果を報告する
アドバイスを受けたら、それを実行してどうなったのかを必ず報告し、お礼を述べます。
「先日はありがとうございました。○○の件、無事に解決いたしました。加藤部長のアドバイスのおかげです。本当にありがとうございました」
知っ得ポイント
●仕事をスムーズに進めるためにも、報告、連絡、相談は忘れずに。
●情報を共有することで、ミスやトラブルを防ぐ、または最小限に抑えられる。