本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

日経平均株価は再び3万円台

日本の景況感改善プラス米雇用回復

 

■4月5日の日経平均株価は30,089.25円と3月18日以来の3万円台を回復しました。先週発表の短観で製造業を中心に景況感が改善したことや設備投資計画の上振れなどを受けた国内の景気回復期待に加え、米国の雇用統計が上振れたことなどが主な要因です。

 

(注)データは2021年1月4日~2021年4月5日。 (出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
日経平均株価、米株と米10年国債利回り (注)データは2021年1月4日~2021年4月5日。
(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

米長期金利の安定が安心感に

長期金利と株価の関係に安定感

 

■昨日の日本株の上昇の背景には、日本時間の米国債券取引で長期金利が安定していたことが安心感につながったと考えられます。景気の拡大期待の高まりが即、米長期金利の上昇につながり、逆に株価を圧迫する、という構図からの変化が垣間見られます。経済の正常化とその後の金融政策の変化に対する期待は一旦は織り込まれた模様です。

 

■今後は、米連邦準備制度理事会(FRB)の次の一手である量的緩和の縮小(テーパリング)がより間近になるまでは米長期金利は安定的に推移すると見られ、日本株に対する影響は限られたものになると考えられます。

米国はコロナ対策から成長戦略へ、日本株への追い風になろう

■米国の財政政策は日本株にとって引き続き追い風となる見込みです。3月31日に、バイデン米大統領が発表した米国雇用計画は、今後8年間で約2兆2,500億ドルを輸送インフラや高速通信網などの整備に充てるというものです。

 

月内には更に米国家庭計画も発表され、大型経済対策の規模は合計で4兆ドルに達する見通しです。大型財政政策による米国経済の加速は米国事業が多い日本企業の業績にとってプラスです。

 

更に、インフラ投資計画に半導体政策が盛り込まれる等、個別で恩恵を受ける産業もあり、この面でも日本株には好材料です。なお、財源の3/4は増税で賄われる見込みで、財政悪化による米長期金利の上昇は抑えられると考えられます。

 

■米国ではワクチンの接種も順調に進んでいることから、市場は、米国はコロナ対策にめどが立ち、ようやく成長戦略へと舵を切った、とみなし始めており、期待形成の分岐点に差し掛かったと思われます。日本はこれからワクチンの接種が本格化しますが、米国金融市場の落ち着きと、業績の上振れ期待から、日本の株式市場も堅調さが増すと考えられます。
 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米国はコロナ対策から成長戦略へ、日本株への追い風に』を参照)。

 

 

(2021年4月6日)

 

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