失業率は6.0%に低下
米雇用者数は91.6万人増
■米労働省が4月2日に発表した21年3月の雇用統計では、失業率が6.0%と前月(6.2%)から0.2%ポイント低下しました。非農業部門雇用者数は前月から91.6万人増となり、事前の市場予想対比で良好な内容でした。
■前月に米南部を襲った寒波の影響が一巡したことや、新型コロナウイルスの新規感染の鈍化を受けた経済再開の動きが雇用の回復要因となりました。
今後も雇用回復継続へ
■米国ではワクチン接種が順調に進んでいます。また、今後はバイデン政権による家計向け給付金をはじめとした大型景気対策の効果があらわれてきます。こうしたことから今後も雇用の回復は続くと見ています。
■リスクは変異株の拡大です。欧州の変異株による新型コロナウイルスの感染再拡大はワクチン接種の遅れが主因と見られます。米国ではワクチン接種が進んでいますが、有効性が低下して感染が拡大すると、雇用回復へのリスクとなります。
経済再開に伴い株高継続へ
■2日の米国株式市場はイースターのため休場でした。しかし、株式先物は雇用統計を受けて上昇しました。米10年金利も上昇しています。
■今後もワクチン接種による感染の落ち着きや、経済再開の動きが続くことによって景気や企業業績が回復するに従い株式市場も上昇基調を維持すると見ています。バイデン政権による景気対策が今後も出てくると考えられることも株式市場の押し上げ材料です。
■リスクとしては、経済再開の本格化によって早期の金融緩和縮小が意識されることや、変異株の拡大によって経済再開の動きが鈍化したり途絶えることなどが挙げられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米雇用統計、91.6万人増で株式市場の上昇を後押し』を参照)。
(2021年4月5日)
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