個人型確定拠出年金(通称「iDeCo(イデコ)」)は、毎月決まった金額を積み立てて自分で運用する私的年金です。今回は、iDeCoの金融機関選びのポイントの1つである手数料に着目し、「元本確保型商品」を選ぶと元本割れしてしまう理由について、株式会社WealthLead(ウェルスリード)代表取締役シニア・プライベートバンカーの濵島成士郎氏が解説します。

「元本確保型商品」を選ぶときの注意点と活用法

iDeCoで「元本確保型商品」の商品を選ぶときの注意点を紹介します。

 

現在はご存知の通り、超低金利の時代です。各金融機関の元本確保型商品を見てみると、定期預金の金利は0.01%ぐらいです。残高が100万円あったとしても、利息は年間100円しかつきません。

 

iDeCoで毎月23,000円を定期預金で運用しても、年間で2,052円(月171円)の手数料がかかるので、元本割れを起こしてしまいます。そのため、現在の低金利の時代だと、元本確保型の商品への積立ては、あまり得策ではありません。

 

それでは、元本確保型の商品をまったくやらないほうがいいのでしょうか?

 

実は、元本確保型の商品の有効な使い方があるのです。それは、投資信託で毎月積み立てをし、十分に大きな利益が出たときや、株式相場が今後下落しそうだと思ったときにいったん解約(売却)して、定期預金に乗り換えることです。iDeCoでは、利益がいくら出ても売却時に税金がかからないので、このような使い方ができます参照:『年収500万円の40代会社員…「iDeCo」で節税できる金額は?

 

また、iDeCoの受取時期が近くなってきたときも、元本確保型の商品を有効活用するタイミングです。先ほどと同じように、株式型の投資信託で積み立て、60歳など受取時期が近いときに解約して、元本確保型の商品に移行するのです。これは、いざ受け取ろうと思ったときに株式相場が暴落してしまい、受け取りたいのに回復するまで待つことにならないようにする対策です。

筆者の「iDeCo」参考ポートフォリオ

ちなみに筆者の場合、SBI証券の「オリジナルプラン」で毎月23,000円の上限をiDeCoで運用しています。SBI証券のiDeCoは現在では「セレクトプラン」のみとなっていますが、「オリジナルプラン」よりも商品ラインナップが充実していておすすめです。

 

そして、積み立てている商品と割合、掛金は次の通りです。

 

●EXE-i新興国株式ファンド(15%、3,450円)
●DCニッセイ外国株式インデックス(20%、4,600円)
●農林中金長期厳選投資おおぶね(30%、6,900円)
●ひふみ年金(35%、8,050円)

 

ひふみ年金のみ内外株式で、その他はすべて海外株式です。筆者の場合は、すべて株式型の投資信託で運用しており、債券やREITには分散投資をしていません。しかし、どれも優れた商品なので、十分なリターンをあげられると思っています。

 

迷ったときは参考にしていただきたいのですが、商品選びに正解はなく、状況によって最適な組み合わせは一人ひとり異なるので、やはり自分で考えることが大切になります。

 

人生100年時代に備えて、今からお金の準備をしておく必要があります。iDeCoを活用して、資産形成をしていきましょう。

 

【この記事を動画で見る】

【動画】iDeCo(イデコ)のススメ【後編】iDeCoをする場合の金融機関と商品の選び方を徹底解説!プロの実践方法も大公開!

 

濵島成士郎

株式会社WealthLead

 

 

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