PCR検査「感度70%は誤判定が多い」…医師に求められる対応

新型コロナのPCR検査は「感度が低い」、すなわち「陽性者の見逃しが多い」ことで知られています。最近は「感度90%以上」というものも出ていますが、感度が上がった=陽性・陰性を正確に判定できるようになったというわけではありません。「検査絶対主義」に陥りがちな日本人に、現役医師が「医学常識の嘘」を明かします。※本記事は、岩田健太郎氏の著書『僕が「PCR」原理主義に反対する理由』(集英社インターナショナル)より一部を抜粋・再編集したものです。

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感度70パーセントは「10人中3人の陽性を見逃す」が…

あらゆる検査には間違いが起こります。

 

検査の正しさを示す指標に、「感度」というものがあります。これは「病気を見逃さない能力」のことです。たとえば感度100パーセントの検査なら、本当に病気がある人はすべて、陽性と判定されます。感度70パーセントの検査なら、本当に病気がある人が10人いたとき、そのうちの3人は陰性と判定されます。つまり、病気がある人を3人、見逃してしまうわけです。

 

もう1つ、「特異度」という指標があります。こちらは、病気ではない人を正しく「病気ではない」と判定する能力です。

 

たとえば特異度100パーセントの検査であれば、本当に病気がない人はすべて、陰性と判定されます。特異度70パーセントの検査なら、本当に病気がない人が10人いたとき、そのうちの3人は陽性と判定されます。つまり10人のうち3人は、本当は病気ではないのに病気だと判定されてしまう。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

感度100パーセント、特異度100パーセントの検査は、もちろん理想的です。しかし、そのような検査は現実世界には存在しません。これから先、どんなに科学が進歩しても、そうした完璧な検査法は開発されないでしょう。

 

それはなぜか。ある検査の感度を上げるためには「病気と判定する基準」、つまり閾値を下げていくことになります。たとえば、「1万個以上のウイルス遺伝子が検体から見つかれば陽性」という基準があったとして、それを「1000個以上のウイルス遺伝子が見つかれば陽性」と変更すれば、「本当に病気の人」を見逃してしまう確率は、理論的には下がります。

 

しかし閾値を下げると、特異度も下がってしまうというジレンマが起きるのです。「あなたは病気ではありませんよ」と判定されたけれども、「実は病気だった」という人が増えてしまう、という現象が起きるのです。つまり、感度と特異度はトレードオフの関係にあるわけです。

 

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神戸大学病院感染症内科 教授

1971年島根県生まれ。島根医科大学(現・島根大学)卒業。沖縄県立中部病院、ニューヨーク市セントルークス・ルーズベルト病院、同市ベスイスラエル・メディカルセンター、北京インターナショナルSOSクリニック、亀田総合病院を経て、2008年より神戸大学。神戸大学都市安全研究センター医療リスクマネジメント分野および医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野教授。神戸大学病院感染症内科診療科長。著書に『「感染症パニック」を防げ! リスク・コミュニケーション入門』(光文社新書)、『感染症は実在しない』(インターナショナル新書)、『ぼくが見つけたいじめを克服する方法』(光文社新書)など多数。

著者紹介

連載感染症専門の内科医が「PCR」原理主義に反対する理由

僕が「PCR」原理主義に反対する理由 幻想と欲望のコロナウイルス

僕が「PCR」原理主義に反対する理由 幻想と欲望のコロナウイルス

岩田 健太郎

集英社インターナショナル

なぜ、ノーベル賞科学者でさえも「コロナウイルス」が分からないのか? その理由は日本人独特の「検査至上主義」にあった! 人間の体は宇宙よりも謎に満ちていて、素粒子よりも捉えがたい。そのことを知らないで、「机上の…

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