恐ろしい…親亡き後、実家を「共有名義」のままに放置すると

相続財産に「不動産」が含まれる場合、親族間のトラブルを招きやすいとされています。今回は不動産の「共有名義」のメリット・デメリットと、共有名義のままにしておくことで生じる問題について解説します。※本連載は、松原昌洙氏の著書『不動産相続のプロが解決!危ない実家の相続』(毎日新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

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共有名義のメリット…購入時に税金が安くなる

(画像はイメージです/PIXTA)
(画像はイメージです/PIXTA)

 

共有名義の一般的なメリットとしては税制で有利になります。よくある例は、マイホームを購入するときに夫婦で住宅ローンを組むケースです。

 

住宅ローンには、「住宅ローン控除」が適用され、年末残高の1%が10年間税額から差し引かれて税金が安くなります。マイホームを夫婦で共有名義にすれば夫婦それぞれの収入に対して住宅ローン控除を受けることができるので、減税額を多くすることができます。

 

また、マイホーム(マンション含む)を売却するときには、居住用財産の「3000万円特別控除」が適用され、譲渡益(売却益)から3000万円分を差し引くことができます。

 

なお、対象になるのは居住用財産だけですから、居住を主目的としない別荘などには適用されません。共有名義のマイホームの売却では、夫婦で6000万円分を差し引くことができるため、多くの場合、税金が非課税になります。

 

また、相続した空き家の実家(マンションを除く)についても、古い建物(昭和56年〔1981年〕5月31日以前に建築)で耐震基準を満たしているなど一定の条件を満たしていれば、被相続人の居住用財産の「3000万円特別控除」が受けられます(令和5年〔2023年〕12月31日までの売却に限る)。

共有名義のデメリット…人数が増えるほど手続きが煩雑

一方で、共有名義のデメリットも、さまざまなものがあります。マイホームを売ろうと思っても、共有者の承諾を得なければ売ることができません。

 

夫婦共有の場合、夫や妻が単独で売ることはできません。特に、離婚する状態になったときは、財産分与の問題が絡んできて難航します。複数の友人が共有で別荘を買ったり、相続による共有で共有者が複数いる場合も、全員の署名・捺印が必要になります。

 

相続のときには、法定相続人に権利が引き継がれるので、共有者が増えていくことがほとんどです。共有名義の扱いを共有者である相続人の間で取り決めておかないと十中八九トラブルに発展します。

 

費用の面でも、共有名義は単独名義より多くなります。

 

登録費用や住宅ローンの諸費用は、登録する人数分かかります。買うときは税制にメリットがありますが、ローン支払い中に贈与税が生じるリスクがあります。夫婦で住宅ローンを負担していて、妻が退職して収入がなくなった場合、夫がローンの支払いを肩代わりすると贈与とみなされるからです。

 

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株式会社中央プロパティー 代表取締役社長
宅地建物取引士
住宅ローンアドバイザー(社団法人全日本不動産協会認定)
相続アドバイザー(NPO 法人相続アドバイザー協議会認定) 

1970年生まれ。
2011年に業界で唯一、共有名義不動産・借地権の仲介を扱う株式会社中央プロパティーを創業。
弁護士、司法書士、不動産鑑定士などの専門家とともに問題解決に取り組む体制を確立し、現在までに約2,500件のトラブル解決を手がける。
著書に『頑固な寿司屋の大将も納得する!?よくある借地権問題』(ギャラクシーブックス)『[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

著者紹介

連載不動産相続のプロが解決する「共有名義不動産」と「借地権」問題

不動産相続のプロが解決!危ない実家の相続

不動産相続のプロが解決!危ない実家の相続

松原 昌洙

毎日新聞出版

本書では、「富裕層ではない一般の人」が親の死亡で実家の不動産を相続したときに起こるトラブルに焦点を当てて、その背景や原因についてわかりやすく説明し、解決策や予防策を紹介します。

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