マイホーム購入。「木造の家」「RC造の家(鉄筋コンクリート造)」など様々な種類がありますが、遮音性はいかほどなのでしょうか。今回は、RC造の遮音性に着目します。

恐しい…まさかの事態を招く「コインシデンス効果」

RC造の住まいを希望する理由を尋ねると「大音量で音楽を楽しみたいから」という人は少なくありません。

 

集合住宅はもちろん、住宅が密集している地域では一戸建て住宅であっても、大音量で音楽を楽しむのは困難です。住まいが密集している都市部ではそれほど大きくはない音漏れが、騒音と認識されて思わぬご近所トラブルの原因になりかねません。しかし気密性と防音性に優れたRC造住宅であれば、CDよりも原音の再現度が高い「ハイレゾ音源」を高級スピーカーで楽しむオーディオルームや、趣味のピアノやギター、ドラムなどを楽しむ自宅スタジオなどで、思いきり音楽を楽しむことができます。

 

ただし窓がある部屋の場合、「コインシデンス効果」に注意が必要です。コンクリート壁や窓ガラスのように均一性の高い平面は音を反射する際に振動するのですが、その振動と一定の音域の波長が共鳴すると、遮音性が著しく低下するという現象が起こるのです。コインシデンス効果は厚さによって共鳴する音域が変わるため、楽器の音域などに注意して、窓を設置することをおすすめします。

 

あるいは、そうした音楽のための部屋を窓のない地下に造れば、より防音性を高めることができるでしょう。

 

また子どものいる家庭からは、よく「グランドビアノを置きたい」という声を聞きます。子どもの情操教育の一環としてピアノは男女ともに人気の高い習い事です。自宅での練習用に使用される縦型のアップライトピアノとは音質や音量がまったく違うので、子どもに本格的に音楽を習わせている人や家で音楽教室を開く人の多くは「グランドピアノを置きたい」と考えます。ただしグランドピアノの設置にはいくつかの条件があり、それをクリアするのはかなり困難です。

 

●グランドピアノのための防音性能

 

まず大きな問題となるのがやはり近隣への音漏れです。ピアノの音量は80デシベル程度ですが、グランドピアノは100デシベル程度ですからアップライトピアノに比べてやはり音が大きめです。さらにグランドピアノ本来の音色を楽しむには天板を開ける必要があり、そうなると、音量はさらに大きなものとなってしまいます。

 

次に演奏時の衝撃です。ピアノは鍵盤を叩いて音を出すため、どうしても演奏時には床に衝撃が加わります。大きな音を出すには鍵盤も強く叩かなければなりませんから、住まいには固体伝播音に対する防音性も求められます。

 

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安心・快適な家を手に入れたい! 鉄筋コンクリートでマイホームを建てる

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磯崎 慎一

幻冬舎メディアコンサルティング

美術館やランドマークなどに使われ、高いデザイン性が認められながらも、「部屋に熱がこもりそう、寒そう」というイメージが強い鉄筋コンクリート造の住宅。 しかし実際には「夏は涼しく、冬は暖かい」という優れた居住性があ…

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