高級ホテルのカーテンが「厚め」なワケは…
窓の防音を考える際には、ガラス以外の部分についても注意が必要です。
例えば窓を開閉するためのサッシには、どうしても隙間が生じるため、音はそこから空気伝播音として入ってしまいます。レールの隙間やサッシ枠の隙間など、ほんのわずかの隙間からでも思わぬ割合で音が入ってくるのです。したがって窓に防音を求める場合には遮音性能の高いサッシの導入が欠かせません。
壁や床の遮音性能がそれぞれ「D値」「L値」で示されるのと同様に、サッシの遮音性能は「T値」という値で示され、数値が大きいほど遮音性に優れているとされます[図表2]。例えばT-4のサッシなら、70デシベル(繁華街の街頭程度)の音を40デシベル(深夜の郊外程度)以下に抑えることができるのです。
最高ランクのT-4を実現するためには、二重窓の導入が必須です。窓を二重に設け、間に空気層をつくる工夫により、音の振動エネルギーを減衰させるとともに、気密性と防音効果も高まります。RC造の高い防音性能を活かすためには「T値」がより高いサッシの導入を検討するとよいでしょう。
あるいは厚手のカーテンを利用するという方法もあります。重量があるカーテンからは高い遮音性が得られます。高級ホテルに泊まると、客室の窓には厚手のカーテンがかかっていますが、遮光とともに遮音の機能があるため、周囲の騒音を気にせず静かにくつろぐことができるのです。
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