贈与税には1年間で110万円の基礎控除額が定められています。この制度を活用し「誕生日プレゼントと称して毎年110万円を子に渡す」といった生前贈与が相続対策として人気を集めていますが、思わぬ落とし穴が潜んでいることをご存じでしょうか。

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「教育資金の一括贈与」のお金を使い切らなかった場合

仮に30歳時点で1,500万円丸々残してしまうと、贈与税の税額は366万円にも上ります。また、1,500万円のうち学校教育費など「主たる教育費」以外の「従たる教育費」に使えるのは500万円までという縛りもあります。

 

たとえば1,500万円贈与したけれども、そのうち学費にかかったのは500万円にとどまったので、残り1,000万円をおけいこごとなどで使わせようとしても、認められるのは500万円まで。残りは課税対象となってしまいます。

 

教育資金口座からの払い出しや教育資金の支払いを行った場合には、学校等が発行する領収書を各金融機関に提出することが必要です。教育に必要な文具等であったとしても、学校などの推薦がない文房具店などで購入したものは該当しません。あくまでも、学校等が発行する領収書が必要となるので注意が必要です。

 

なお、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置については、令和元年の税制改正において、以下の改正がありました。

 

(1)受贈者の所得制限

平成31年4月1日以降の贈与については、受贈者の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、本制度の適用を受けることができないこととなりました。

 

(2)23歳以上の受贈者の教育資金の範囲

令和元年7月1日以降に支払われる教育資金では、23歳以上の受贈者の教育資金の範囲について、①学校等に支払われる費用、②学校等に関連する費用(留学渡航費等)、③学校等以外の者に支払われる費用で、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講するための費用、に限定されることとされました。

 

(3)贈与者死亡時の残高

平成31年4月1日以降の贈与については、贈与者の相続開始前3年以内の贈与について、贈与者の相続開始日において受贈者が、①23歳未満である場合、②学校等に在学している場合、③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合のいずれかに該当する場合を除き、相続開始時におけるその残高が相続財産に加算されることとなりました。

 

(4)残高に対する贈与税の課税

令和元年7月1日以後に受贈者が30歳に到達する場合、受贈者の30歳到達時において、現に①学校等に在学している、または②教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合には、その時点で残高があっても贈与税は課税されないこととなり、その後、①または②に該当する期間がなくなった年の年末に、その時点の残高に対して贈与税が課税されることとなりました。ただし、それ以前に受益者が40歳に達した場合には、その時点の残高に対して贈与税が課税されることになります。

 

教育資金の範囲や学校等の範囲については、文部科学省のホームページに詳しく掲載されていますので、この特例を検討する場合は参考にしてください。

 

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服部 誠

幻冬舎メディアコンサルティング

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