多くの人が一生に一度の買い物である「マイホーム購入」。木造の家のほうが建築の値段は安いですが、長い目で見るとRC造(鉄筋コンクリート造)のほうが得になる理由を株式会社サンオリエント代表取締役の磯崎慎一氏が解説します。

RC造の家が木造や鉄骨造より、高いのにお得?

家の価値は「イニシャルコスト」ではなく「ライフサイクルコスト」で考える

RC造(鉄筋コンクリート造)には木造や鉄骨造に比べてどうしても建築費が「高い」というイメージがつきまといます。

 

確かに、延床面積40坪の住宅を建てるとなった場合、木造の建築費が約2000万円なのに対し、RC造では3000万円以上の費用が必要となるため、「高い」と感じられるのも無理はありません。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
確かに高そう…(写真はイメージです/PIXTA)

 

しかし、建築費だけを見て「RC造住宅はコストが高い」と認識するのは間違いです。住宅購入を単なる買い物ではなく、今後のための資産運用と考えるのであれば、維持費も含めた「その家に住むために要する費用のすべて」、すなわち「ライフサイクルコスト(LCC)」に着目することが重要なのです。

 

住宅の取得に要するコストは「購入価額-売却価額」で求められます。例えば4000万円で購入した住まいが1500万円で売却できたら、居住に費やした費用は2500万円だったというわけです。

 

しかし、この売却費には「耐用年数」が大きく関係することを忘れてはいけません。住宅購入の際には多くの人が住宅ローンを利用します。返済期間が30年以上にわたるという人も少なくありませんが、その場合、木造なら22年で資産価値がゼロになってしまいます。例えば30代で自宅を購入した場合、定年退職する頃には家の価値はなくなっていますから、リタイア後の軍資金としては活用できません。

 

耐久性の高いRC造の住宅ならば資産価値が長く残ります。高い売却価額が期待できるのはもちろん、賃貸住宅として貸し出しても居住性やデザイン性が高く、入居者が付きやすいので、資産として大きな価値を計上できるのです。

補修は何年ごとになるのか?

入居後の維持費に見るRC造のメリット

住まいを持つとなると、住宅の建築費用に加え維持費が必要です。住宅の維持費としては以下のようなものがありますが、それらを含め総合的に判断すれば、RC造のほうが「お買い得」といえます。

 

メンテナンス費用・リフォーム費用

通常、木造住宅の外壁は10〜15年サイクルで補修が必要とされます。一方、RC造住宅は建築時にしっかりとコーティングをしておけば、外壁の塗り替えは25年程度に一度でも問題ありません。例えば50年暮らす場合、木造であれば最大5回行うメンテナンスが2回で済むわけです。

 

また、地域によってはシロアリの駆除が欠かせませんし(こちらは5年が目安とされています)、前述のように、RC造に比べると震災や火災によって大規模な修繕が必要となるケースも考えられます。

 

このように耐久性が高いRC造住宅は、長期的に考えるとメンテナンス・リフォーム費用を抑えられる傾向があります。

 

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安心・快適な家を手に入れたい! 鉄筋コンクリートでマイホームを建てる

安心・快適な家を手に入れたい! 鉄筋コンクリートでマイホームを建てる

磯崎 慎一

幻冬舎メディアコンサルティング

美術館やランドマークなどに使われ、高いデザイン性が認められながらも、「部屋に熱がこもりそう、寒そう」というイメージが強い鉄筋コンクリート造の住宅。 しかし実際には「夏は涼しく、冬は暖かい」という優れた居住性があ…

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