リスクのある信用取引も、知識をつければ怖くない
年金だけでは老後の生活が成り立たない─。
麻生財務大臣は金融庁がまとめた調査資料を片手に「2000万円が不足」と言って話題になりましたが、それに対して批判の声が高まりながらも、実際の年金支給額を考えてみると、余裕を持った生活を送るのであれば、やはり年金支給までに資金を捻出(ねんしゅつ)したいところです。
ですが、一朝一夕にはならないのが資産作り。1980年の頃は、定期預金で年8%の利息で、お金を預けて時間をかけて置いておけば、ほとんどリスクなしで資金を10年で2倍以上に殖やすことも可能でした。しかし、今は少ない資金を大きく殖やそうとするのであれば、リスクを取らないと不可能と言ってもいいでしょう。何しろ、銀行の預金は年利1%に遠く満たないわけですから。
株の信用取引はリスクが大きいのは事実ですが、知識さえしっかり身につけ、強い意志を持って自分なりのルールを守りさえすれば、それほど恐ろしくはありません。信用取引、なかでもカラ売りを、不透明感の強いマーケット環境を考えて活用したいものです。
知識を蓄えることは、カラ売りなど信用取引を行ううえで重要なのは言うまでもありません。「生兵法は怪我のもと」とはよく言ったものですが、中途半端な知識でわかっているつもりで投資を行うことはとても危険です。本連載で、カラ売りの隅から隅まで学んでから実際の取引をスタートさせましょう。