(※写真はイメージです/PIXTA)

日経平均株価の上値が重い展開が続いている。ようやく加速した新型コロナワクチンの「接種ペース」に自ら急ブレーキをかけた。ワクチンの供給不足が原因で、見通しの甘さを発覚し、自治体や企業は不満を募らせている。今後、株価はどう動いていくのか。「株のお姉さん」として親しまれる雨宮京子氏が株価が下落相場でもあなたの資産を守り、逆に増やすという「株の売り方」の極意を明らかにします。本連載は雨宮京子著『世界一わかりやすい株の売り方』(フォレスト出版)より抜粋し、再編集したものです。

塩漬け株が急騰、さあ、どうする?

ほとんどの投資家は「塩漬け株」を長年にわたって保有していた、もしくは現在も保有し続けている経験があるかと思います。

 

おそらく、含み損がふくらんでしまい、今さら「損切り」ができず、どうしようもなく、評価損のマイナス金額を見てうんざり、心が折れてしまう──等々、ズルズル引きずってしまったのではないでしょうか。

 

誰でも、最初から「塩漬け」を目指して投資をすることはありません。「長期目標なので、今は損していても先行き上がればいい」と言う人もいますが、そういう人に限って、株式投資は短期間で儲けるものと思っています。いつの間にか長期投資にすり替わるというのは負けと一緒なんですよね。

 

さて、株式投資は辛抱が大切という個人投資家がいますが、長年、辛抱を重ねた末、やっとその保有株の株価が上昇、あるいはまだ含み損の状態であっても少しでもマイナス金額が減少──こうしたケースはうれしいものですが、どうすればいいのでしょうか?

 

以下の方法が考えられます。


 
①もうちょっと辛抱して、保有し続ける
②少し上がったところで、売却
③買い乗せする

 

どれも正解かもしれませんが、ちょっと待ってください。

 

カラ売りを活用してみてはどうでしょう。投資方法のバリエーションを広げるために、「つなぎ売り」にトライする方法があります。

 

感覚的には、ヘッジ売りと一緒です。これ以上、戻るのかどうか迷ったときに、つなぎ売りをするのです。そのまま戻ったら、含み損がある場合、現渡しをして損を確定させますが、再び下がった場合は、買い戻せば少し損が取り戻せます。

 

何もしないで再び下がれば、次はいつ戻るかわかりません。その結果、塩漬け株を抱える日がしばらく続きます。

 

ここでの考え方としては、カラ売りして買い戻して生じた利益は、その分、自分の買いコストを下げることにほかなりません。

 

簡単に例を示すと、1000円で買った株が500円に下落、その後800円まで戻ったときにカラ売りし、600円で買い戻したケースでは、カラ売りによる200円の利益が、そのまま1000円で買ったものが800円で買ったことと同じになるのです。

 

600円から1000円まで上昇するには、かなりのエネルギーを必要としますが、800円までの上昇なら何とか実現しそう、そんなふうに思えないでしょうか。

 

もちろん、800円からさらに上昇した場合、そこで現渡しをすれば200円の損が確定しますが、上昇しても再び800円以下に下がるまで粘ることもできるのです。とんでもなく上昇した場合は、いくら上がろうが現渡しすれば、新たな損は発生しません。

 

このように、塩漬け株のカラ売り活用は、買ったコストを下げて、戻りに備える役割を果たします。
 

 

雨宮京子
雨宮総研代表 

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世界一わかりやすい株の売り方

世界一わかりやすい株の売り方

雨宮 京子

フォレスト出版

「株の売り方」について解説した本です。 普通、株式投資というと「株を買う」 、値上がった株を売って儲ける、または配当や株主優待を得るというものですが、本書は「株を売って儲ける」ということに重点を置いています。 …

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