業績や材料による株価変動は2回大きな波が来る
一方の現実買いとは、開発した製品が工場のラインなども整い、いよいよ出荷、現実の収益に貢献してくる際に具体的に会社全体の収益に貢献する利益を買っていくことを指します。
相場のリズムとしては、理想買いで株価はひと山形成したあとに調整局面に入り、その後、現実買いとして再び相場になるのです。その理想買いによる上昇が短期間で急騰──そうなったときはカラ売りのチャンス。何度も記してきた通り、「山高ければ谷深し」で、急騰すればするほど、その反動安も大きなものとなり調整も長期化します。
理想買いの段階でカラ売りをして、調整局面で買い戻してカラ売りによる利益を確定。その後、持ち続けている現物をじっくり構えて保有し続け、今度は現実買いによる上昇が訪れるのを待てば良いのです。
業績や材料による株価変動は、理想買いと現実買いという、2回大きな波がきますので、その流れに逆らわず、間の調整局面を利用して、カラ売りでうまく立ち回りましょう。
一方、こうした業績や材料など明らかに上がる理由もなく、需給思惑が先行するなど明確な材料がないまま、突如株価が上昇することがよくあります。
ひと昔前の相場では、仕手筋介入など仕手株が思惑で唐突に値を飛ばすケースが多くありました。
なかには、相場が始まってから株価が最終的に5倍、10倍と大化けするケースもあったものの、短期的な上昇で終わる銘柄が大半で、こうした銘柄はカラ売りの対象として狙いやすかったのです。
大化けした銘柄をカラ売りしてしまったら、とんでもないことになりますが、現物を持っている限り、大きな損害は生じないのは言うまでもありません。
現在では、仕手筋によるこうした相場はほぼなくなりましたが、代わりに、マザーズやジャスダックなどの新興株市場で思惑が先行する銘柄が見受けられます。
これらの銘柄を保有していて、突如急騰した場合、カラ売りの対象となっていれば、ヘッジ売りをしてみるのも一法でしょう。1部市場の銘柄に比べて、上昇、下降ともに一方通行になりますので、カラ売りそのものを行うことはリスキーながら、いったん値崩れを起こした場合、一気に下落するため、投資効率は抜群と言えます。
もちろん、大きく担がれた場合は、現渡しで上昇した分の損失を回避できるのは言うまでもありません。
投資目的で保有している銘柄を、タネ玉(あらかじめ仕込んでおく元手となる株)にしてヘッジ売りで縦横無尽に動き回れば、大きな果実をつかむことが可能になるでしょう。しかも、読みがはずれて失敗したときのリスクも小さくてすみます。
ヘッジ売りをうまく活用して投資のバリエーションを増やしてください。