具体的な「売り」の3つのタイミング
「売り」のタイミングはとても難しいと記しましたが、ツボにハマれば、これほど“おいしい”ものはありません。
何しろ、重力と一緒で、上がるよりも落ちるほうが速い。お金を稼ぐのは難しく、とても努力を要しますが、損をするのはボーッとしていれば、あっと言う間。株価が上昇するのは、利益が増えることをベースとしているので、逆にとらえれば落ちるほうが速いというのは、ある意味、当然と言えば当然と見ることができます。
さて、ここからは少しずつ実践的なことに話を進めていきましょう。下がれば儲かるというのはどんなときか、具体的に説明します。
まずは、株式投資の基本のおさらいからです。いかなる場合でも、株を買って儲けが出るのは、買った値段よりも高くなったときというのは言うまでもありません。株は「安くなったときに買って高くなったときに売る」のが基本です。
つまり、カラ売りで儲けるなら、その反対のことをするだけです。「高くなったときに売って、安くなったときに買い戻せばいい」のです。ツボにハマれば“おいしい”と言いましたが、買いにもタイミングがあるように、闇雲(やみくも)に売ってはいけません。
高くなったときの具体的な売りのタイミングを、以下に示してみました。相場全体が崩れたとき、明らかに下降トレンドにあるときはどの銘柄も共通しますが、ここでは個別の動きに関して言及します。
●材料が出尽くした
何か、その銘柄に期待できる材料があって株価が上昇。それが実際に出たあとの株価は反落するケースがほとんどです。たとえば、決算発表が近づき好決算の発表が予想される場合、実際に発表された段階で材料出尽くしになることが少なくありません。
●人気のピークが過ぎた
出来高を伴って株価が上昇した場合、その多くは天井を打つ直前に出来高が減り始めます。それが人気のピークが過ぎたことを示すケースが少なくありません。人気が過熱して急騰している銘柄で、出来高が減り出したらチャンス到来です。
●悪材料が飛び出した
会社側が立ち会い中に悪材料を発表した場合、運良く、そのタイミングで売れれば、儲けのチャンスになります。ただ、乗り遅れた場合、深追いはやめましょう。業績に影響する悪材料なら下げも長期化する可能性もあるので、いったん戻ったところを狙います。