日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は総務省の調査から「キャッシュレス」の実情を見ていきます。

都道府県別「キャッシュレス率」…1位は?

「色々サービスがあって、面倒くさそう」と、キャッシュレスを毛嫌いする人たちは多いでしょう。特にQRコード決済はサービスが乱立し、店のレジ前には様々なQRコードが並びカオスな状況に……。

 

そんな状況を打破しようと、QRコード決済において、普及活動が展開されているのが、統一コードの「JPQR」。決済事業者ごとにフォーマットなどが異なっていたQRコードを統一仕様にすることで、十店舗とユーザーの利便性を向上させようというもの。マイナンバーカードと連携したポイント還元制度「マイナポイント」にも対応するなど、消費者にとって嬉しいプラスαも。

 

このように国を挙げて普及に力を注いでいるキャッシュレス決算ですが、地域によって普及具合にばらつきがあります。都道府県別に消費支出のうち現金を除く購入形態(クレジットカード、掛買い、月賦、電子マネー)の割合を算出している、総務省『2019年全国家計構造調査』を見ていきましょう。

 

それによると、最もキャッシュレスが進んでいるのは「千葉県」で消費支出全体に対して31.2%。続いて僅差で「神奈川県」。「東京都」「愛知県」「京都府」と続きます。一方で最もキャッシュレスが進んでいないのが「鹿児島県」14.9%。「長崎県」「佐賀県」「宮崎県」「大分県」と続きます(図表1)

 

出所:総務省『2019年全国家計構造調査』より作成
[図表1]都道府県「キャッシュレス率」上位10 出所:総務省『2019年全国家計構造調査』より作成

 

地域別に見ていくと、1位と47位で倍以上の差が生じているキャッシュレス払いですが、ワースト5はすべて九州地方。ほか「熊本県」が41位、「福岡県」が29位と、全国的に見ても現金至上主義的な傾向の強い地域だといえるでしょう。

 

さらに年齢階級別(30歳未満、30歳代、40歳代……80歳以上)に見ていくと、30歳代のキャッシュレス率が最も高く29.2%、最も低いのが80歳以上で13.8%。さらに「電子マネー(プリペイド)」の支出割合は60歳代が最も高く4.7%、80歳以上が最も低く2.8%となっています。

 

新型コロナウイルスの感染拡大によって、人との接触を避けられる利点から、普及スピードは上がっていると言われています。消費者メリットも多いキャッシュレス払い。さらなる普及が期待されています。

 

 

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