面会交流については、取り決めなくとも離婚できるが…
子どもを監護していない親が未成年の子どもに直接会ったり、それ以外の方法で交流する権利のことを面会交流権といいます。
●面会交流の決め方
両方の親の話し合いによって、回数(頻度)や時間、場所について決めることが基本。当事者間で取り決めることが難しい場合や、監護している親が応じない場合には、家庭裁判所で面会交流の調停をすることになり、それでも決まらなければ最終的には家庭裁判所の判断(審判)に服することになります。
●面会について決めるべきこと
①面会の頻度(月1回、2回など)
②時間(2~3時間とする、1日とする、宿泊ありとする……等)
③場所
④父母間の連絡方法などです。
面会交流については親権とは異なり、取り決めないと離婚できないというものでもありませんが、離婚後に話し合う機会があるとは限らないので、離婚する際に基本的なことを決めておく方がベターです。
面会交流は親の権利でなく「子どもの権利」
面会交流は親の権利でなく”子どもの権利”です。制限すべき理由がない限り、面会させるべきという考え方が主流です。
ただし
①連れ去りの危険がある場合
②子への虐待のおそれがある場合
③監護親への暴力があった場合
等は、家庭裁判所でも面会交流を制限することがあります。このほか、子が嫌だといっている場合は? 養育費が十分に支払われていない場合は? などさまざまな問題がありますので専門家にご相談されることをお勧めします。
一方でこのように制限すべき理由がない限りは、できるだけ会わせて子の成長を知ってもらい、その後の進学の費用などできる限りの経済的な協力を促す効果も持つことがあります。
最近では離婚しても二人で育てる「共同養育」という考え方も浸透しつつあり、これまでの「ひとり親」という考え方がかわりつつあります。一つとして同じ離婚・同じ親子関係はありませんので、ネットの情報に流されすぎず、ぜひ一度、自身の個別の事情を専門家に相談してみてください。
水谷江利
世田谷用賀法律事務所弁護士
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