離婚届には何を書き、誰の署名が必要か?
離婚届にはどんな記載内容があるのか
離婚届には婚姻届と同じように証人2人の署名押印欄があります。遺言などとは異なり、証人欄にだれがサインするかの資格の制限はありません。
夫側、妻側からそれぞれひとりが証人となるのが望ましいですが、そうでないからといって問題はありません。
入籍して名前が変わったほう(現状の多くは女性側=妻)が、離婚して旧姓に戻るか、引き続き婚姻後の姓を名乗るかを決めますので、これに応じて「妻は元の戸籍にもどる」「妻は新しい戸籍をつくる」のいずれかの欄を選択します。
この選択があるので、離婚届は夫ではなく妻側で役所に提出するのが便宜的です。
離婚届には何を書く必要がある?誰のサインが必要?
離婚届にはお金のことなどを決める欄はなく、子どもの親権だけを記載します。つまり、子どもの親権さえきまれば、離婚そのものにはほかの条件が決まらなくても、協議離婚自体はできてしまうということになります。
協議離婚でお金(養育費や財産分与など)のことを決めたりしたい時は、別途「離婚協議書」つまり、離婚の条件について取り決めた合意書を作ります。
調停離婚は調停が成立した日に、裁判離婚は判決が確定した日に法的には離婚が成立していますので、離婚届は単にこれを戸籍に反映させるためだけの提出でよくなります。この場合には、相手方の署名がないままで提出が可能です。
協議離婚では「公正証書」を作成したほうがいいのか?
公正証書を作る「公証役場」とはどんなところか
公証役場とは、公証人法によって法務局管轄で全国各地に設立された機関で、全国約300箇所に設置されています(役場とつくので、どうしても市役所や裁判所などと勘違いされる方がいらっしゃいますが、まったく異なりますのでご注意ください)。
実際には、私人(間)で作成した権利・義務を発生させる合意書、遺言書などを文書化したり(=公正証書)、私人が作成した文書について作成名義に相違がないことを認証するところです。具体的には不動産などの売買、お金の貸し借りの約束、遺言など、法律行為に関するものは公正証書にすることができます。
協議離婚の時でいうと、夫婦間で合意した離婚の条件や取り決め(養育費、財産分与、慰謝料など)を記した公正証書を作成することで、離婚成立後のお互いの権利と義務を固めることができます。
一般的には、離婚届を提出する前に公正証書は作成されることが多いですが、双方の合意があれば、離婚後でも作成することは可能です。
国の公証制度に基づいて法務省に属する公証役場で作成される公文書ですので、作成は公証人が行ないます。