新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、窮地に立たされている中小企業。そこで注目されているのが、3月に公募開始のアナウンスがされている「事業再構築補助金」です。今回は企業再生のスペシャリストである坂本利秋氏が、申請の際に肝となる「申請代行業者の選び方」について解説します。

ポイント4:金融機関からの借入を実現するノウハウ

繰り返しになりますが、この補助金は赤字で資金的余裕がない企業が主な対象です。一般的な補助金は自己資金で費用を支払って、その支払い証明と給付申請書を補助金事務局に提出し、やっとお金が振り込まれます。つまり立替期間が発生します。おそらくこの補助金も、採択されてから1年程度経過後の入金になると思われます。資金的余裕がない企業が、立替など困難です。

 

そこで必要となるのが金融機関からの借入です。よって、申請代行に金融機関からの借入ノウハウがあるとベターです。この辺りは診断士の認定支援機関よりも、会計・税務事務所の支援機関の方が得意かもしれません。

 

ただ多くの会計・税務の支援機関はビジネス系の補助金はあまり得意としていない印象です。ここからは筆者の希望です。菅政権には、事業再構築補助金での新型コロナ融資の積極利用していただきたい。新型コロナ融資は昨年5~6月頃をピークに急減したままです。解決を伴わない単なる資金繰り支援はもう積極的に行わないのは仕方ありませんが、本気で事業再構築に取り組む企業へはもう1回チャンスをください。

ポイント5:手数料

おおきく2パターンあります。

 

・着手金+成功報酬(補助金採択額の10%~25%程度)
・完全成果報酬(補助金採択額の10%~30%程度)

 

もちろん、完全成果報酬が申請企業にとってベターなのは言うまでもありません。

 

しかしながら申請代行機関の都合もあります。それまでの申請企業への関与度合いにもよりますが、おそらく申請支援で0.3人月程度は取られるはずです。申請支援者の月額給与が30万円として10万円程度は実費として掛かります。

 

申請企業が1,000万円以上の補助金を申請し、採択確度が高いと見込まれる場合には、着手金の10万円はなくとも大丈夫でしょう。

 

しかしながら、補助金申請額が100万円、補助金申請が1,000万円でも到底採択される見込みがないケースでは、着手金が無しでは間尺に合いません。それでも申請代行を受けますという機関は、相当に気前が良いか、長期の付き合いを考えている以外では、逆に信用ができません。こんなに無理をしないと受注できない企業なんだと疑ってしまいます。

 

結論は、着手金は無い方がベターですが、申請企業の内容によっては着手金ありも受け入れましょう。

 

成功報酬の料率ですが、採択率実績-40%>手数料率が一つの判断材料になると思います。たとえば、ものづくり補助金の採択率実績が70%で手数料率が25%の支援機関があれば、「70-40=30>25%」が成立します。よってこのケースでは、手数料率は妥当と判断します。

 

ものづくり補助金と事業再構築補助金の採択率の差は、ふたを開けてみないとわかりませんが、上は手数料率を考える一つの目安になると思います。

 

私見ですが、さすがに30%は高いという肌感覚はあるものの、25%未満であれば手数料率以外の4つのポイントで選んで良いと思います。

 

最後になりますが、筆者の知るイケてる申請機関は、事業再構築補助金の申請前にもかかわらず、申請予約が相当数入っているようです。経営者の皆さん、拙速な行動は禁物ですが、巧遅もだめです。焦らずとも速やかに行動に移してください。

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