「老後に備えて貯蓄を」十分にできているでしょうか。少子高齢化、独居老人の増加・・・年金頼りの生活は期待できないかもしれません。間近に迫る危機について解説していきます。

年金だけで賄うつもりが…「経済的な壁」に唖然

入居時に必要なのは、一般の賃貸住宅を借りるときと同様に、敷金・礼金と月額利用料です。敷金・礼金は月額利用料の2~3カ月分ということが多くなっています。月額利用料は、住居の面積や所在地によって大きく変わります。首都圏の場合で見ると、10万から20万円程度が多いようです。

 

この金額を公的年金だけで賄えれば安心ですが、そうではない場合には、不足分を得るための収入源を用意しておかなければ入居することはできません。

 

■高齢化による医療費の高騰で、自己負担割合は今後も拡大する~加速する少子高齢化

 

2019年の合計特殊出生率は、前年の1.42%から1.36%に下がり、回復の兆しは見えていません。合計特殊出生率とは、1人の女性が生涯に何人の子どもを産むかを表す数値です。子どもは父親と母親の間に生まれますから、合計特殊出生率が2を超えなければ人口は右肩下がりで減っていくことを意味しています。

 

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(2017年)によると、日本の高齢化は急激に進んでいくと予測されています。2010年時点で65歳以上の人の割合は約23%でした。それが、25年後の2035年には約32.8%に達する見込みです。3人に1人が65歳以上ということになります。さらに、25年後の2060年には、約38.1%になると推測されます。

 

高齢化の大きな問題のひとつは、医療費の高騰です。日本の国民医療費は、年々増加しています。2008年時点で約34.8兆円だった国民医療費は2014年の時点で40.8兆円まで増加しています。6年の間に17%も上昇したことになります。この傾向は今後も続くでしょう。

 

■年金の支給額にも影響が

 

国民医療費のうち、約3割を占めるのが75歳以上の後期高齢者です。厚生労働省によると、後期高齢者が加入する医療制度の収支は、2017年度で180億円の黒字で、前年度からの繰越金等を反映した収支は4,350億円の黒字になりました。

 

黒字額が増えたのは、加入者が増加したためですが、かかっている医療費の額も増えているため、今後も黒字が続くかどうかはわかりません。

 

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