「老後に備えて貯蓄を」十分にできているでしょうか。少子高齢化、独居老人の増加・・・年金頼りの生活は期待できないかもしれません。間近に迫る危機について解説していきます。

「月10万円の年金」のために現役世代が支払う金額は…

それが、2010年の時点では2.6人で1人の高齢者を支えるようになりました。これは「騎馬戦型」と呼ばれています。小中学校の運動会などで騎馬戦の経験のある人もいると思います。

 

3人で1人を支えるのは不可能ではありませんが、なかなか大変なものです。少しの間ならまだしも、そのままずっと生活するとなれば、いずれ耐え切れなくなってしまうでしょう。

 

出典: 総務省「国勢調査」、社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2012年1月計)」(出生中位・死亡中位)、厚生労働省「人口動態統計」
[図表2]高齢者1人を支える現役世代の人数 出典: 総務省「国勢調査」、社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2012年1月計)」(出生中位・死亡中位)、厚生労働省「人口動態統計」

 

騎馬戦型の場合、単純計算で高齢者に毎月10万円の年金を支払うためには、現役世代が1人当たり、毎月4万円程度を負担しなければならないことになります。現役世代はマイホーム資金や子どもの教育費と、ただでさえ家計が苦しいのに、高齢者のためにそれだけの出費をしなければならないのは大きな負担です。

 

これだけでは終わりません。

 

さらに、2050年になると、1人の高齢者を現役世代1.2人が支えるようになるといいます。これは「肩車型」と呼ばれています。ほぼ1人が1人の年金を負担するわけですから、現実問題としては、ほとんど不可能ではないでしょうか。無理に支えようとすれば、現役世代自体が破綻しかねません。

 

その時点の現役世代の保険料は、相当高くなっているでしょうが、それにも限度があります。これ以上、保険料の引き上げが難しい、というレベルに達すると、できうる対策は年金の額を減らすことだけです。

 

今の現役世代は、高い保険料負担に苦しんで自分の老後資金を十分に蓄えることができない上に、将来、自分が受け取る段階になれば、その額を減らされてしまうという二重苦に陥るのです。公的年金が当てにできないという現実は、もうすぐそこまで迫っています。

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

30歳から定年までで2億円つくる ほったらかし資産運用術

30歳から定年までで2億円つくる ほったらかし資産運用術

宮園 泰人

幻冬舎メディアコンサルティング

年収減少、増税、年金不安・・・サラリーマンの老後はどん底貧乏間違いなし!! 「下流老人」「老後破産」・・・サラリーマンの多くが、老後の生活に不安を抱えています。定年後の安定した生活には最低1億円、ゆとりのある生…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録