家族もNG…?成年後見人になれないパターン5つ
【欠格事由】
① 未成年者
② 成年後見人等を解任された人
③ 破産者
④ 本人に対して裁判を起こしたことがある人やその家族
⑤ 行方不明者
申し立てを受けた家庭裁判所が成年後見人の要・不要や、誰を選任するかの審査を行った上で認定されます。通常は家族が選任されるケースが多いのですが、最近では少子化の影響もあり家族に適切な人が見当たらないなどの理由から、弁護士や司法書士などが職業後見人として就任するケースが増えています。
成年後見人の主な仕事は財産管理と身上監護です。財産管理については預貯金の預け入れや引き出し、不動産など重要な財産の売却や購入、住まいのリフォーム、その他の契約などを代行します。身上監護としては後見を受ける人が健康に暮らせるよう生活を管理したり治療や療養、介護などの手配・手続きを行ったりします。
したがって経済的な問題を抱えていないことや後見を受ける人の近くに住んでいて、すぐに駆けつけられる状況にあることなどが成年後見人の認定に当たっては重視されます。押小路さんのケースでは、押小路さん本人は債務の返済に行き詰まっているため、父親の成年後見人にはあまりふさわしくないと見なされる可能性がありました。そのため母親と姉を成年後見人の候補に選んだのです。
なお、成年後見人には家庭裁判所に対して定期的に活動内容を報告する義務が課されています。領収書の保管や日誌をつけるなど、細かな作業が必要となるため、ある程度労力がかかると考えておく必要があります。
◆任意売却の成否を分ける売却価格の設定
任意売却の成功に欠かせないのが債権者・債務者ともに納得できる売却価格の設定です。価格の設定について債権者と債務者の間には利益相反があります。債権者は少しでも多く融資を回収したいので、売却価格のつり上げを希望します。一方、債務者の場合はそうともいえない状況が生じえます。「高く売れれば残債が少なくなるのだから、債務者にとっても有利なのでは?」と思われがちですが、そうでもないのです。
「金融機関のせいで時間切れ」が相次いでいる現状
物件は売却価格を低めに設定できれば、購入希望者が多数現れます。売却条件について有利な立場で交渉できるため、「住み続けたい」「生活準備金を多く支給してほしい」などの希望が通りやすくなるのです。
また、債務者が買い手と賃貸借契約を結んで住み続けることを希望している場合には、物件価格が高くなると家賃も高く設定されてしまいます。生活が成り立つ金額に家賃を抑えるためにも、物件価格はなるべく低いほうが好都合なのです。
安く売ると残債が多くなることについては心配無用です。売却価格が低く残債が多額になっても、任意売却後の債務について厳しく返済を求められることはありません。また自己破産により借金を帳消しにするという方法もあるため、残債の多寡をあまり気にする必要はないのです。したがって私を含め、任意売却を依頼された専門家は、基本的には売却価格を低めに設定したいと考えます。
しかしながら低めの値段が望ましいからといって、極端な安値をつけることはできません。債権者の同意が得られなければ抵当権を外してもらえず、任意売却は頓挫してしまいます。限られた時間で任意売却を成功させるには、債権者が納得するぎりぎりの安値を読み解くことが欠かせません。