女性差別、不正入試、医療事故…。入学希望者が殺到する一方で、不祥事が続出している医学部。責任重大な学問が行われる場所でありながら、なぜ腐敗が止まらないのか。世間一般の常識とは異なる医学部の実態を明かす。※本連載は、上昌広氏の著書『ヤバい医学部』(日本評論社)より一部を抜粋・再編集したものです。

「何もしなくても儲かる」「何かあっても不問になる」

どうして、こんなに医学部で不祥事が相次ぐのでしょう。どうして、こんなことでやっていけるのでしょう。

 

それは、わが国では政府が医学部の新設を認めないため、新規参入者との競争にさらされないからです。優秀な生徒を入学させ、しっかりと教育しなくても、入学希望者は殺到します。何もしなくても、カネが入ってきます。

 

さらに、東京医科大学の贈収賄事件で明らかになったように監督官庁である文科省とも癒着しています。知人の東京医科大学幹部は「文科省に我々を処分する資格はない」と開き直ります。

私大ほど危険な傾向…腐敗が止まらない「特殊な環境」

どうして、医学部は、ここまで腐敗してしまうのでしょう。それは閉鎖的なムラ社会を形成しているからです。特に私大医学部で、その傾向が強くなります。

 

いくつかの理由が考えられますが、まず、挙げられるのは学費が高いことです。安いとされる順天堂大学でも6年間で2,080万円もかかります。埼玉医科大学(3,957万円)や北里大学(3,953万円)とは比べものになりませんが、一般家庭が払える額ではありません。この結果、「半分以上の学生の親が医師(順天堂大学OB)」という特殊な環境ができ上がります。

 

さらに、多くは単科大学です。まわりは医者の卵ばかり。授業や実習はもちろん、私生活までともにするところもあります。順天堂大学や昭和大学では新入生は寮生活を送ることが義務付けられています。

 

順天堂大学の場合、発祥の地である千葉県佐倉近郊に存在する啓心寮に入寮します。同大は、そのホームページで「順天堂大開学以来の伝統」と誇り、「最終日の裸まつり。寮生全員でミコシを担ぎ酒々井(しすい)町を練り歩きます。寮祭を終えた寮生は誰もが熱い感動で充たされ、固い友情と順天堂で学ぶ誇りが生まれてくるのです」と自画自賛しています。まるで昭和のノリで、いまどき、体育系大学でも、こんなことは言わないでしょう。

 

課外活動でつきあうのも医学生ばかりです。慶應義塾大学のような総合大学でも、サークルやクラブは医学部独自のものが存在します。若者が成長するには自らと異なる存在との接触が欠かせません。ところが、現在の医学部教育は、このような視点が皆無です。

 

多くの教員は、このことに問題意識すらもっていません。自らも狭いムラ社会で育ってきたからでしょう。特に名門とされる医学部に、その傾向が強いと感じます。

 

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