リノベーションでAirbnbに有利な物件をつくり出す
もし、オーナーが所有する物件が店舗併用型のマンションであれば、実はAirbnbで大きなチャンスがあります。
ここで言う店舗併用型物件とは、1階に店舗、2階から最上階までが通常賃貸というかたちの賃貸住宅です。1階にはコンビニやコインランドリー、塾が入っていたりすることが多いでしょう。街を歩いていても、そういう物件をよく見かけると思います。
今のトレンドでは、1階の店舗のテナントがなかなか埋まりにくい現状があります。店舗利用、事務所利用で募集をかけても、次のテナントが決まるまで何ヶ月もかかるケースを頻繁に見受けます。
また一旦は入っても、今のご時世では商売も簡単ではありませんから、採算が合わなくて早々に撤退していくケースも目立ちます。つまり、テナントは空きを埋めることも、入居を長続きさせることも難しいのです。
ここで発想の転換をします。テナントを店舗利用で埋めるのが難しければ、住居用にリノベーションしてしまえばいいのです。そうすれば、この物件はオーナーにとって、とても強い武器になります。
なぜなら、通常の賃貸より平米数が広いからです。部屋が広いとベッドルームをたくさんつくることができます。たくさんの人数を受け入れることが可能になります。
もともと建築当初は、駅に近いなど何かしらの商業需要があったから店舗併用型で建築されたのでしょうから、立地も悪くないはずです。1階全部がAirbnb用の部屋なら、隣人がいないのでトラブルになりにくく、またテナントという構造上、入り口が道に面しているため騒音になりにくい点もうってつけです。
余計な壁がないため、間取りを考える際の自由度も高く、水回りを後付けで追加してあげることで生活環境としても整えやすいと言えます。ユニットバスをそのまま入れることも可能でしょう。
店舗向けの物件としてつくったからといって「店舗利用」にこだわるのではなく、「少し広めの民泊の部屋」と考えることで可能性が大きく広がります。
同じような発想でいけば、2つの部屋を1つにリノベーションして、広い部屋として貸し出す方法もありです。
たとえば隣同士の2DKの部屋を2つ合わせて4DKの部屋とするのです。1つの部屋にダブルベッドを1つ置くとして、4DKなら8人が泊まれます。8人対応の部屋は珍しいので一気に稼働率が上がり、収益をアップさせることができます。
もしもっと宿泊人数を増やしたいというのであれば、リビングにダブルのソファベッドを置くといった対応も考えられます。
部屋を連結し、「予約の導線」を増やすという手も
実際に、部屋を連結して広げた例もあります。
高田馬場エリアの物件ですが、隣り合う2つの部屋を連結させ、筆者の会社で内装をコーディネートしました。広さとしては合計で2LDK・2DK程度の広さで掲載しています。
高田馬場駅からも徒歩2分の立地で、内装もリノベーションで新しくしたこともあり、非常に稼働率が良くなっています。
ちなみに、この物件では実験的にAirbnbサイトへの掲載方法も数種類を試してみました。2つの部屋を別々にして出すバージョンと、2つ合わせて出すバージョンとを比較してみたのです。
部屋AとBがあるとすると、AirbnbのリスティングでA・B単独で出した場合と、A+BでCという部屋にして出した場合、合計でA、B、Cという3つの物件ページを用意したのです。
こうすることでページが増え、予約の導線が増えます。バッティングしないよう、予約の管理が非常に複雑になりますが、これをやると全体的な稼働率が上がるので、上級者には非常にお勧めの方法です。