何度もブームを繰り返し、今や生活に定着した感のあるワイン。一方、欧米に目を向けると、ワインは株式や債券と同じように投資対象として人気を高めているという。本連載では、ワイン研究の第一線で活躍する堀賢一氏が、ワインマーケットの現状と今後の見通しについて解説する。今回は、海外のレストランではよく見かける「BYO」について見ていきます。

とっておきのワインをBYOで楽しむために

BYOは消費者にとっては素晴らしいシステムですが、これはあくまでもレストラン側の好意によって成り立っているということを忘れてはなりません。筆者自身は仕事柄、頻繁にレストランにワインを持ち込ませてもらっていますが、必ず次のようなことを守るようにしています。

 

1. 初めて訪問するレストランには、持ち込みをお願いしない

 

2. そのレストランで取り扱っているワインや、小売価格が5,000円以下のものは持ち込まない

 

3. 持ち込むワインはあらかじめ宅配便で届けるか、当日持参の場合は他のお客さんから見えないところでスタッフに渡す

 

4. 必ず、持ち込み料を取ってもらう

 

5. レストランのスタッフが試飲できるように、ワインをグラス1杯分程度は残して帰る

 

BYOでは、レストランの限られたワインリストから選ぶのではなく、自分で探したワインを持参できることにより、ワインの歓びを更に深めることができます。たとえばガールフレンドの誕生年のワインとか、結婚した年のワイン、新婚旅行で訪れた土地のワインなどを準備することによって、その夜のディナーを想い出深いものにできますし、自分で購入していながら、なかなかコルクを開ける気になれない高価なワインを飲む機会ともなります。

 

 

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