学生の半数以上が「仕送り」だけでやっていけない
では私立大学の歯医系でなければ会社員世帯は安心かといえば、そうではありません。日本学生支援機構の『平成30年度 学生生活調査』によると、大学生(昼間部)のいる世帯の年収平均は862万円。国立大学の学生がいる世帯では854万円、私立大学の学生がいる世帯では871万円です。
国税庁の『民間給与統計調査』による、会社員の平均給与は、資本金2000万円未満の株式会社においては425万円(男性517万円、女性258万円)、資本金10億円以上の株式会社においては635万円(男性732万円、女子334万円)。大学生のいる世帯の平均年収は、一般よりは高めです。しかし「家庭からの給付のみで修学可能」と回答したのは38.3%。6割は世帯収入だけでは我が子を大学に通わせることはできない……それは現実なのです。
大学生…生活費の2割はアルバイト頼み
大学生活にかかるのは、当然、学費だけではありません。前出の『学生生活調査』で居住形態別の生活費を見てみると、自宅居住の場合、国立大学の学生で112万2300円、私立大学の学生で181万800円。アパート等に居住の場合、国立大学の学生で176万5800円、私立大学の学生で249万5300円。
そして大学(昼間部)の収入平均が200万1300円のうち、家庭からの仕送りが119万6600円。足りない分は、奨学金35万9600円、アルバイト40万1500円などでまかなっています。このように6割は家庭からの仕送りで、残りはアルバイトや奨学金でやりくりしています。さらに1週間のうち、20時間以上アルバイトをしているのは12.8%。31時間以上アルバイトしているのは2.7%。もちろん、これらがすべて苦学生というわけではありませんが、せざるを得ない学生も多くいるわけです。
また「経済的理由から勉強を続けることが困難か」の質問に対して「大いにある」と回答したのが2.3%、「少しはある」と回答したのが11.5%。コロナ禍の前においても、7人に1人は経済的な悩みを抱えていました。コロナ禍においては、緊急事態宣言下で飲食店の時短営業要請などにより、学生の収入も減少しています。
学生の本分は勉強ですから、できることなら親からの仕送りだけで生活でき、思う存分、学んでほしい……これが願いではありますが、そうはできない家庭が元々半数以上いました。さらにコロナ禍で就学困難な学生が増えています。せっかく、大きな志をもって進学をしたわけですから、思う存分学問に励めるよう、支援が必要です。
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