日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてるのは「大学生の懐事情」。コロナ禍で退学を検討する学生が増えているといいますが、その経済事情はどうなっているのでしょうか。

子どもを4年間大学に通わせたら、いくらかかるか?

大学入試シーズンも中盤戦。合格を手にし、ほっとひと息をついている親子も多いのではないでしょうか。

 

一方でコロナ禍、厳しい経済情勢によって家計にも大きな影響が出ています。総務省の『家計調査』2020年の平均値によると、1世帯当たりの消費支出(総世帯)は前年比6.5%減の23万3568円。二人以上世帯に限定すると、前年比5.3%減の27万7926円。前年比マイナスは珍しいことではありませんが、減少幅としては過去10年で最大となりました。

 

また勤労者世帯の実収入(総世帯)は、1世帯当たり前年比3.4%増の52万9956円。二人以上世帯に限定すると、4.0%増の60万9535円、手取り収入(可処分所得)は前年比4.6%増の49万8639円。一律10万円の特別定額給付金で、世帯としての実収入は前年比プラスを記録しましたが、2020年12月には1.3%減。12ヵ月ぶりの実質減少を記録しています(図表1)

 

出所:総務省「家計調査 2020年平均」より作成
[図表1]2019年12月~2020年12月勤労者世帯の実収入の推移 出所:総務省「家計調査 2020年平均」より作成

 

さらに厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、「現金給与総額」は2020年4月以降、前年比マイナスを記録し続けています。様々な支援でなんとか前年比トントンを続けてきた家計も、いよいよ厳しくなっていくことが推測されます(図表2)

 

出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査」より作成
[図表2]2020年「現金給与総額」等 出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査」より作成

 

そこで大学進学を手にした家庭で気になるのが、どれほど費用がかかるか、ではないでしょうか。

 

文部科学省によると、国立大学学部の入学料は28万2000円、授業料は52万800円(『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』よる)。さらに諸経費をプラスすると、初年度納付金は80万円強、4年で230万円強の学費がかかる計算になります。

 

一方私立大学学部の場合、文系平均、授業料が79万3513円、初年度納付金が117万2582円、理系平均、授業料が111万6880円、初年度納付金が154万9688円(『私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査』による)。4年間で文系であれば380万円弱、理系であれば510万円強かかる計算です。また歯医系の6年の平均学費は2000万円を超えるといわれ、一般の会社員世帯では、我が子を通わせることは到底無理な世界です。

 

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