父の遺骨を持ち出した妹に精神的苦痛…慰謝料は請求可能か?

相続発生時、遺言や遺書の有効性についてトラブルが発生するケースが多発しています。知識を身につけ、もしもの時に備えましょう。今回は事例から、「遺骨の引き渡し拒否」でどの程度の慰謝料を請求できるか、見ていきましょう。

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父の遺骨を持ち去って返さない妹…慰謝料請求は可能か

Q.父が亡くなりました。

 

遺言書では、私が祭祀承継者として指定されていたのですが、妹はこれに従わず、墓の玄室に勝手に侵入して納骨するなど、反発してきました。

 

妹が話し合いに応じないため、私は、自分の祭祀主宰権(父遺骨及び本件墓の管理権限を含む)を有することの確認、玄室への立入禁止、精神的苦痛の慰謝料10万円の支払を求める訴えを起こしたところ、裁判所は全面的に私の訴えを認めました。

 

しかし妹は、判決も無視して玄室に立ち入って父の遺骨を持ち出し、それからは私に遺骨を引き渡そうとしません。私は遺骨の引渡しの訴えを起こす準備を進めていますが、このような妹の行動に対して、慰謝料を請求することはできないのでしょうか。

 

いくらいっても遺骨を引き渡さない妹…(画像はイメージです/PIXTA)
いくらいっても遺骨を引き渡さない妹…(画像はイメージです/PIXTA)

遺骨の持ち去りは、管理権を侵害する不法行為にあたる

A.本件は、東京地方裁判所平成21年2月17日判決の事例をモチーフにしたものです。この裁判事例では、妹が遺骨を玄室から持ち出して返還しない行為について、

 

「遺骨に対する原告の管理権を侵害する不法行為に当たる」

 

とした上で、

 

「本件遺骨に対し原告が管理権を有することを確認した別件1審判決が言い渡された直後,これを無視して本件墓から本件遺骨を持ち出し,その後,原告から再三本件遺骨の引渡しを求められたにもかかわらず,また,本件1審判決を是認する東京高等裁判所の判決及び最高裁判所の決定が出されたにもかかわらず,本件遺骨を原告に返還する姿勢を全く示さないものである。」

 

「原告は,このような被告の行為により,日々精神的苦痛を受け続けているということができる」

 

としました。

こすぎ法律事務所 弁護士

慶應義塾大学大学院法務研究科卒業。神奈川県弁護士会に弁護士登録後、主に不動産・建築業の顧問業務を中心とする弁護士法人に所属し、2010年4月1日、川崎市武蔵小杉駅にこすぎ法律事務所を開設。

現在は、不動産取引に関わる紛争解決(借地、賃貸管理、建築トラブル)、不動産が関係する相続問題、個人・法人の倒産処理等に注力している。

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