一般企業では既に始まっている時間外労働の上限規制が、2024年4月から医師にも適用される。勤務医の時間外労働時間を「原則、年間960時間までとする」とされているが、実現は困難ではないかとの指摘も。その「医師の働き方改革」を実現した医師がいる。「現場のニーズに応え、仕事の流れを変えれば医師でも定時に帰宅できる」という。わずか2年半で、どのように医師の5時帰宅を可能にしたのか――、その舞台裏を明らかにする。

現場のニーズに応え、仕事の流れを変えて定時に帰る

「医師の働き方改革」の推進に関しては、厚生労働省の「いきいき働く医療機関サポートWeb(いきサポ)」https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/outline/に役立つ情報がわかりやすく掲載していますので、是非チェックしてみてください。

 

実はまだあまり知られていませんが、47都道府県すべてに「医療勤務環境改善支援センター」https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/outline/work-improvement-support-center/が設置されており、医療労務管理アドバイザー(社会保険労務士等)や医業経営アドバイザー(医業経営コンサルタント等)が専門的・総合的な支援を行っています。

 

私も令和2年度より、厚生労働省委託事業「医療従事者勤務環境改善のための助言及び調査業務」委員会の委員に就任したので、「医療勤務環境改善支援センター」のアドバイザーとして「医師の働き方改革」に少しでもお役に立てればと考えております。

 

「千里の道も一歩から」

 

2024年までに医師の残業時間を「年間960時間まで」に抑えるというのは、それこそ千里の道を歩くように思われるかもしれません。

 

しかし、目の前にある「現場のニーズにひとつずつ応え、仕事の流れを変えれば医師でも定時に帰宅できる」のは間違いありません。私どもができたのですから、皆さんにできないはずはありません。

 

さあ、みなさんの病院でも、早速今日から「医師の働き方改革」を始めてみませんか。

 

「医師の働き方改革」のポイント
●若年層は「働きやすさ」を就業先選択項目の上位にあげていることを知る
●経営層、リーダーとの日頃のコミュニケーションの質と量が職員の離職率を下げる
●苦しい時こそリーダーは、“ポジティブな”姿勢で“ポジティブな”メッセージを発信
●厚生労働省が提供する情報など積極的に活用し、「医師の働き方改革」を推し進める

 

佐藤文彦
Basical Health産業医事務所 代表

 

 

地方の病院は「医師の働き方改革」で勝ち抜ける

地方の病院は「医師の働き方改革」で勝ち抜ける

佐藤 文彦

中央経済社

すべての病院で、「医師の働き方改革」は可能だという。 著者の医師は「医師の働き方改革」を「コーチング」というコミュニケーションの手法を用いながら、部下の医師と一緒に何度もディスカッションを行い、いろいろな施策を…

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