今回は、所得税額を軽減できる「15種類の所得控除」についてみていきます。 ※本連載は、提案型の女性税理士として活躍する、益田あゆみ氏監修の最新刊『オールカラー 個人事業の経理と節税のしかた』(西東社)の中から一部を抜粋し、王道の「節税テクニック」をご紹介します。

「要件」に当てはまれば、所得税額の軽減が可能

所得税は、1年間の所得にかかる税金ですが、所得額がそのまま課税の対象となるわけではありません。人はさまざまな事情を抱えています。扶養する家族がいる人、ひとり親で育児をしながら働いている人、災害にあって財産を失った人・・・。こういった納税者それぞれの個人的事情を考慮して、所得税額を軽減しようというしくみが所得控除です。

 

納税者がそれぞれの所得控除の*要件に当てはまる場合には、所得から各所得控除額を差し引きます。その残りの金額が、所得税の課税対象額になるのです。所得控除は全部で15種類あり、人的控除と物的控除のふたつに分けられます(図表参照)。

 

*要件:必要な条件のこと。所得控除が適用されるためには、それぞれの所得控除の要件に当てはまらなければならない。

自分に「要件」が当てはまる場合は漏れなく申告する

人的控除は、納税者や家族など“人”に関して控除されるものです。このうち、所得を38万円差し引く*基礎控除は利用するための要件がなく、すべての納税者が利用できます。

 

*基礎控除:個人事業主だけでなく、サラリーマンも含めすべての納税者が対象になる。したがって、所得が基礎控除の38 万円を超えないときは、納税額は0円になる。

 

もうひとつの物的控除は、納税者の生活維持のために必要な支出を考慮したものです。各所得控除の要件を知り、自分がその要件に当てはまる場合は漏れなく申告すること。これが所得税の節税の基本だと心得ましょう。

 

【図表 各所得控除のおもな要件をチェック!】

本連載は、2016年2月10日刊行の書籍『オールカラー 個人事業の経理と節税のしかた』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

オールカラー 個人事業の経理と 節税のしかた

オールカラー 個人事業の経理と 節税のしかた

益田 あゆみ 監修

西東社

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