「3歳児健診」は子どもの目の病気を発見するチャンス
子どもが小学校に上がるまでの間には、自治体によって節目ごとに定期健診が無料で行われています。その一つに「3歳児健診」があります。
3歳になると心身が大きく成長し、自我意識が芽生えてきます。そのため、何でも「自分でやりたい」という気持ちが強くなり、自律した行動や発言がだんだん増えてきます。親としては楽しみな時期でもあるだけに、自我の芽生えに合わせて体の発育や運動機能、精神の発達を確認する「3歳児健診」は子どもの成長を知るうえでも大事なものとなっています。
なかでも「視力検査」は、生後初めて行われるので特に重要です。
視覚機能が急成長する3歳までに何か異常があると、視力に大きく影響します。そのため、視力の発達が妨げられて弱視になっていないかを早期に発見する大切な検査と位置付けられています。
もしも3歳児健診で子どもの視力に異常が見られたとしても、目の感受性の高い時期でもあるので、すぐに治療を行えば、視力を伸ばすことは可能です。また、この時期に治療を始めれば、小学校の入学までには治療を終えることもできます。
逆に、3歳児健診の機会を逃してしまうと弱視の発見が遅れ、就学時健診や入学後の視力検査で発見されて治療を行っても、成果が上がらない場合があります。
実際に、就学時健診で視力の不良を指摘されて受診した子どもたちの多くは、3歳児健診を受けていなかったり、受けて弱視が疑われてもその後の精密検査を受けていなかったりなどで、発見が遅れてしまうケースが少なからず見受けられます。
「もっと早くに受診してくれていれば、子どもの視力を伸ばせたのに」と残念に思うこともあるのです。
3歳児健診を受けなかった理由について保護者に訊ねると、「忙しくて忘れた」「検査キットを使って自宅で視力検査をしたら問題なかった」「日常生活に変わった様子は見られなかった」などを挙げていました。
しかし、いくら自我が芽生えてきたからといって、3歳では見え方に異常があってもうまく訴えることができません。弱視だけでなく、もしも目の重大な病気が隠れていたら生命に関わるかもしれないのです。大切な子どもの健康と目の発達を守るためにも、3歳児健診は絶好のチャンスですから逃さないようにしましょう。
ただし、健診の機会を逃してしまったとしてもできる治療はあるので、諦めずに眼科医に相談することが大切です。
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