今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金融政策の変更の有無よりも、声明文のトーンや米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の会見内容が注目されました。これらを通して示されたのは、短期的には回復ペースは鈍化するも、中期的にはワクチン接種拡大による景気回復への期待です。ただ、資産価格の動向については慎重な受け答えに終始しました。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報・ヘッドラインを転載したものです。

相続税の税務調査の実態と対処方法―指摘率トップ、
「名義預金」を税務署はどうみているか?【12/16開催】

FOMC:金融政策は市場予想通り据え置き、声明文に若干の変更点

米連邦準備制度理事会(FRB)は2021年1月26日~27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催しました。FOMCでは政策金利、資産購入ペースについては市場予想通り据え置きが決定されました。

 

声明文では経済活動及び雇用の回復ペースを前回の回復から、この数ヵ月穏やかになった、と変更しました(図表1参照)。また、景気動向については今回の声明文でワクチン接種の進捗を盛り込み、また、12月の声明文の経済活動のリスクとして使用した「中期的」との表現を、今回の声明文から削除することで、中期的な回復期待をにじませました。

 

時点:2020年12月(前回、左)、2021年1月(今回、右)、声明文は抜粋 出所:FRB、各種報道等を参考にピクテ投信投資顧問作成
[図表1]FOMC声明文の主な違いの比較 時点:2020年12月(前回、左)、2021年1月(今回、右)、声明文は抜粋
出所:FRB、各種報道等を参考にピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:FOMC、ワクチン接種、景気回復ペース

今回のFOMCでは金融政策の変更の有無よりも、声明文のトーンやFRBのパウエル議長の会見内容が注目されました。これらを通して示されたのは、短期的には回復ペースは鈍化するも、中期的にはワクチン接種拡大による景気回復への期待です。ただ、資産価格の動向については慎重な受け答えに終始しました。

 

まず、短期的な経済活動や雇用の動向ついては、声明文で前回の回復は「続いている」が「緩やかになった」に置きかえられており、当面のペースの鈍化を指摘しています。特に懸念しているのは会見でもパウエル議長が具体的なセクターを口にしていた娯楽部門で、20年12月の雇用統計にも明確に示されています(図表2参照)。

 

月次、期間:2020年11月(左)、2020年12月(右)、前月比、太字は12月 出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成
[図表2]米国の非農業部門雇用者数と主なセクターの変化 月次、期間:2020年11月(左)、2020年12月(右)、前月比、太字は12月
出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成

 

一方で中期的な動向については、今回の声明文にワクチン接種の進捗を盛り込み、接種拡大ペースなどに左右される可能性はあるものの、景気下支え要因としての期待をにじませました。

 

このような景気見通しから想定される金融政策は、中期的な回復を確認するまで、当面金融緩和でサポートする必要があるということと見られ、資産購入(QE)の出口戦略は時期尚早との考えを会見でも強調しています。

 

なお、インフレ率について2%を一時的に超えても政策金利を維持する考えを述べています。FRBが注視するインフレ指標(コア個人支出価格指数)は昨年4月には前年比で1.0%を下回っており、同指数は今年4月頃上昇が見込まれます。この場合の上昇は一時的と判断する可能性が示唆されました。

 

このように中期的な景気回復期待と、短期的といっても当面は続く公算が高い金融緩和政策の組み合わせから、資産価格の行き過ぎの可能性が浮かび上がります。会見でも記者からこの点に関する質問が多く聞かれました。パウエル議長は最近の資産価格の上昇について、金融政策が一定の役割を果たしているものの、主な要因は新型コロナワクチンの効果と追加財政刺激策への期待であって、金融政策との関係は明確でないと述べるなど、今回は対応への言及をほぼ回避しました。パウエル議長はテキストブックの後ろに正解が用意されていない難問に取り組む必要があるわけで、今後の市場動向などに応じて解答を作成する作業が求められそうです。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『FOMC後の会見で問われたこと』を参照)。

 

(2021年1月28日)

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

 

\PR/ 年間延べ7000人以上が視聴!
カメハメハ倶楽部
「資産運用」セミナー

 

カメハメハ倶楽部セミナー・イベント

【12/12開催】建築会社破産、サブリース会社破綻…
「不動産・建築・相続」紛争の総まとめ<2023年>

 

【12/13開催】「共有名義不動産」の出口は“売却”だけじゃない!
問題点と最新の解決策を藤宮浩氏が特別解説

 

【12/14開催】相続や離婚で財産はどうなる?
「不動産」「宝石などの動産」の財産の取り扱いと対応策

 

【12/16開催】「名義預金」を税務署はどうみているか?
相続税の税務調査の実態と対処方法

あなたにオススメのセミナー

    【ご注意】
    ●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
    ●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
    ●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
    ●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
    ●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
    ●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
    ●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
    ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
    ●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

    人気記事ランキング

    • デイリー
    • 週間
    • 月間

    メルマガ会員登録者の
    ご案内

    メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

    メルマガ登録
    TOPへ