いつの時代もなくならない遺産争い。「長男だから」「介護をしていたから」それぞれの立場で権利を主張し続け、ドロ沼の相続に…といった例が後を絶ちません。円満に、とは言わずとも、どうにか丸く収める方法はないのでしょうか? たった一つの「大切なこと」は…。

父を懸命に介護した次男。一方、長男は…

■財産が少ないほどもめる

 

たとえ「争続」に発展しても、法律を手がかりに相続人同士で話し合いを進めれば、問題は解決する方向に向かうと思われてはいないでしょうか? 

 

実際にはそれほど簡単なものではありません。ときには、お互いの気持ちを斟酌しない限り、法律では解決できない泥沼に突入してしまうケースもあります。家族間の感情のもつれが相続争いに発展させるのです。このことを象徴する事例を紹介しましょう。

 

次男のCさんは両親と同居し、家と仏壇を守っていました。一方、Cさんの兄である長男は立派な会社に勤めており、ほとんど実家に帰ってくることはありません。そうしたなかで寝たきりの父親が亡くなった矢先、ついにCさんの不満が爆発してしまったのです。

 

「謝らないと終わりませんよ」(※写真はイメージです/PIXTA)
「謝らないと終わりませんよ」(※写真はイメージです/PIXTA)

 

Cさんは長く実家で暮らし、両親の面倒を看てきました。Cさんの妻も文句を言いつつも、父親に献身的な介護を続けてくれました。さらに実家暮らしのため、仏壇や先祖供養も精一杯行ってきたつもりです。

 

ところが―。実家にほとんど帰ってこなかった長男が、ここぞとばかりに喪主を引き受けてしまったのです。

 

両親と長く暮らしてきたCさんは、自分が喪主を務めたいと考えていました。しかし都合のいい場面だけ長男が前面に出て、自尊心が傷ついてしまったのです。しかも長男は、無神経にも「これからも仏壇を守ってくれ」と突きつけてきました。Cさんは、その一方的な態度に強い不満を抱いたのです。

 

さらに納得できない出来事が続きました。長く両親の面倒を看てきたCさんの事情を斟酌せず、長男が相続財産の均等相続を主張してきたのです。これでついに、Cさんの不満が爆発しました。

 

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※本記事は書籍『相続大増税の真実』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再構成したものです。最新の法令・税制等には対応していない場合がございますので、予めご了承ください。

相続大増税の真実

相続大増税の真実

駒起 今世

幻冬舎メディアコンサルティング

2013年度の税制改正による「基礎控除の4割縮小」と「最高税率の引き上げ」で、これまで相続税とは無縁と思っていた一般家庭にも、相続増税の影響が直撃する可能性がでてきました。 「今すぐ節税をはじめなければ、とんでもな…

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