20年のがん死亡率の推移…トップを維持する県は?
日本人の死因、第1位となるがんですが、そこには地域差があります。みていきましょう。
まずすべてのがんを対象に、過去20年の死亡率(人口10万人当たり)を都道府県ごとにみていきます。
2019年、がんの死亡率(75歳未満年齢調整死亡率)が最も低かったのが「長野県」。死亡率は人口10万人当たり58.9。続いて「滋賀県」「福井県」「奈良県」「三重県」と続きます(図表2)。
10年さかのぼり、2009年。この年、がんの死亡率が最も低かったのが「長野県」。続いて「山梨県」「福井県」「三重県」「香川県」と続きます。
さらに10年さかのぼり、1999年。ノストラダムスの大予言は果たして……と騒がれたこの年、がんの死亡率が最も低かったのが、やはり「長野県」。「沖縄県」「熊本県」「香川県」「福井県」と続きます。
この20年、常にトップの「長野県」のほか、ベスト10常連といえるのが「福井県」「山梨県」「岡山県」です。
一方、1999年に第2位だった「沖縄県」は、2019年は第41位。大きく順位を下げました。また2019年に4位の「奈良県」、6位の「石川県」、7位の「富山県」は、1999年はそれぞれ28位、26位、24位。この20年で大きく順位を上げています。ただし数値自体、この20年で改善の方向に向かっており、順位の変動はあくまでも相対的なものです。
続いて、主要ながんについて死亡率をみていきましょう。
まず死亡数第5位の肝臓がん。最も死亡率が低いのが「新潟県」。一方で死亡率が高いのが「愛媛県」です(図表3)。そして死亡数第4位の「膵臓がん」は、前出の通り、5年生存率が低いがんのひとつ。最も死亡率が低いのが「鳥取県」。一方で死亡率が高いのが「青森県」です(図表4)。
死亡数第3位の「大腸がん」。最も死亡率が低いのが「石川県」。「大分県」「奈良県」「滋賀県」「福井県」と続きます。一方で死亡率が高いのが「青森県」。「岩手県」「沖縄県」「秋田県」「長崎県」と続きます(図表5)。
死亡数第2位の「胃がん」で最も死亡率が低いのは「熊本県」。続いて「沖縄県」「大分県」「長野県」「鹿児島県」と続きます。一方で死亡率が高いのが「秋田県」。「鳥取県」「和歌山県」「青森県」「愛媛県」と続きます(図表6)。
そして死亡数第1位の「肺がん」。最も死亡率が低いのが「長野県」。「大分県」「山梨県」「富山県」「滋賀県」と続きます。一方で死亡率が高いのが「鳥取県」。「青森県」「北海道」「和歌山県」「大阪府」と続きます(図表7)。
がんの死亡率が最も低い「長野県」や第2位の「滋賀県」は平均寿命の長い県としても知られているので、この結果には納得ではないでしょうか(関連記事:『都道府県ランキング「長生きできる」ご長寿県はどこだ?』)。またがんのなかには生活習慣と密接に関わるものもあります。たとえば喫煙。「肺がん」の死亡率で45位の「北海道」は喫煙率の高い地域で、因果関係を垣間見られる結果です(図表8)。
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