日本人の死因の1/4を占める、がん
厚生労働省「人口動態統計月報年計(概数)の概況」(令和元年2019)によると、2019年に亡くなったのは138万1098人。死因の第1位は「悪性新生物(がん)」で死亡数は37万6392人、全死亡者数の27.3%を占めています。
国立がん研究センターによると、死亡数が多いのは「肺がん」。「大腸がん」「胃がん」「膵臓がん」「肝臓がん」と続きます。男女別に見ていくと、男性で最も多いのが「肺がん」で、女性で最も多いのが「大腸がん」です。
累積死亡リスク(ある年齢までにある病気で死亡する、おおよその確率)を見ていくと、生涯がんで死亡する確率は、男性で23.9%、女性で15.1%。40歳男性が60歳までにがんで死亡するリスクは1.6%、70歳までに死亡するリスクは5.8%、80歳までに死亡するリスクは13.9%となっています。40歳女性の場合を見ていくと、60歳までにがんで死亡するリスクは1.6%、70歳までに死亡するリスクは3.9%、80歳までに死亡するリスクは8.0%。
このようにがんは男女ともに60歳代から増加し、高齢になるほど、また男性のほうが死亡率は高くなる傾向にあります。
また罹患率(ある年齢までにある病気に罹患する=その病気と診断される確率)を見ていくと、生涯がんに罹患する確率は、男性で65.5%、女性で50.2%。全国民の半数以上が生涯で1度はがんを経験するわけですから、ある意味、最も身近な疾病のひとつであるといえるでしょう。
さらに5年相対生存率(がんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いか)を見てみると、男女合計で6割を超え、いまやがんは罹患したからといって絶望する必要のない疾病になったといっていいでしょう。
しかし部位によって大きな差があり、甲状腺がん(93.7%)、皮膚がん(92.4%)、喉頭がん(78.7%)、膀胱がん(76.1%)などは高く、膵臓がん(7.7%)、胆嚢・胆管がん(22.5%)、肺がん(31.9%)、肝臓がん(32.6%)、脳・中枢神経系(35.5%)などは低くなっています(図表1)。
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