「自動車生産のしくみ」の順番は、テストに頻出
●効率よく生産するための「ジャストインタイム方式」
自動車は、2~3万個の部品でつくられています。ものすごい量です! これらを全部1つの工場でつくるのが難しいということは想像できますね。
そこで、部品は関連工場でつくり、それを組立工場で完成させています。
部品が余るともったいないので、必要なものを必要なときに必要な量だけつくって運び込むという「ジャストインタイム方式」がとられています。
この話をすると、よく「先生、まとめてつくっておけばいいんじゃないですか?」という質問を受けます。これはかなりいい視点です。まとめてつくったほうが安くつくれそうですよね。
では、なぜそのようにしないのか? ちょっと考えてみてください。ヒントは、「つくった部品をどこに置いておくのか?」ということ。
…考えてみましたか? それでは解説しましょう。
部品を置いておくためには、場所がないと困ります。しかも、いくら「必要なときに必要な量を」と言っても、かなりの量になってしまいますから、大きな倉庫が欠かせません。
そうすると、場所代も、管理者の人件費もかかります。そこで、「できるだけ効率よく生産するためにムダを省こう」というのがジャストインタイム方式なのです。
●自動車生産の流れ
自動車生産は、作業を細かく分担し、ベルトコンベアを使って流れ作業で行われます。稲作の流れと同じように、自動車生産のしくみの順番も試験によく出ます。
その中でも、プレス→溶接(ようせつ)→塗装(とそう)→組立だけは覚えてください。
●戦後も伸び続けた日本の自動車生産
日本の自動車生産は、戦後どんどん増えていきました。
1955年から1973年までの高度経済成長期にも伸び続け、いったん石油危機(きき)でストップしたあとも、また増え続けています。なぜでしょうか?
それは、日本車の燃費(ねんぴ)がよかったからです。
だって少しの燃料でたくさん走れたほうが、お財布にやさしいですからね。
ところが、日本車が売れて日本が儲(もう)けすぎたことで、アメリカと貿易摩擦(まさつ)が起こりました。
「ちょっと君、1人で儲(もう)けすぎだよ。ずるいんじゃないの?」と言われてしまったのです。その後、日本は自主規制して輸出を減らしたり、アメリカで自動車をつくる現地生産を進めたりしました。
現地生産を行えば、地元のアメリカ人が雇われるので、アメリカの経済にもプラスになります。こうしてアメリカの不満を少しずつ解消しようとしたわけです。
その後、1990年代はアメリカが生産台数1位でしたが、現在では中国が1位になっています。2位はアメリカ、3位が日本です。
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