ほとんどの建物は「ゴーストマンション初期状態」!?
このようなマンションは、いずれゴーストマンションになる予備軍というべきマンションなのです。だから区分所有者は、マンションの終焉対応について、築年数の浅い時期から勉強と検討をする必要があるのです。
早ければ早いほど、新旧区分所有者間で平等な計画ができ、かつ負担感も軽減させることができます。しかし、現実問題として、築年数が浅いうちからの検討は、無理があると思われますので、せめて築30年から40年頃には、検討及び準備に入ることをお勧めします。
検討の目標としては、最も重要かつ困難なことかもしれませんが、区分所有者による管理組合解散に関するコンセンサスの醸成と、管理組合の解散時期(マンション建物解体時期)の想定です。
この時の話し合いのテーマとしては、納得できるマンション生活を、いつまで持続させるのかや、工学的観点からの客観的な建物寿命評価、あるいは現実的な空き住戸や管理費、修繕積立金滞納者など管理組合運営の将来性、そして老朽化や現在発生している不具合現象の事実などでしょうか。
この時のコンセンサスの目標は、明確でなくてもボンヤリとしたものでも構わないと思います。マンションの仕舞い方を話し合いましょう、との雰囲気がでれば十分と思います。検討する資料としては、現在、管理している長期修繕計画書およびマンション解体時期まで表わした超長期修繕計画書になります。
これらの超長期というべき修繕計画書がない状態が、ゴーストマンションの初期状況です。ほとんどの分譲マンションはこの状態と思われます。
一日でも早く、区分所有者の誰かが気付き、そして話し合いや勉強を始めなければなりません。できることならば、新築当初から検討を勧める国土交通省によるガイドラインの整備や強制的な解体準備積立金・災害対応準備積立金制度の法整備を提案いたします。
自動車やある種類の電化製品を購入する時に、自然環境保護や不法投棄の未然防止策として、リサイクル費用とか廃棄費用を先払いする制度になっていますが、これと同様に、戸建住宅や分譲マンションにも、解体費用積立金制度や供託金制度などの法整備が必要と考えます。
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