板を読んだ「指値」で株の売買不成立を回避する
しかし、そうでない場合は、少しでも安く買い、少しでも高く売りたいのは、当然の投資家心理です。そこでそのためには、「板」を読んだ指値注文をすることで、売買不成立を回避しつつ、少しでも良い価格で売買することが可能になります。
[図表1]はある銘柄の板を再現したものですが、画像上部には、現在株価の1,004円が表示されています。
そして青字で表示されている数字をご覧ください。ここから、1,005円での売り注文が4,000株出ていることがわかります。そしてその上を見ていくと、1,006円で24,300株、1,007円で26,000株の売り注文が出ていることがわかります。
次に赤字で表示されている数字をご覧ください。こちらからは、1,002円で9,700株の買い注文が出ていることがわかります。そしてその下を見ていくと、1,001円で8,500株、1,000円で37,300株の買い注文が出ていることがわかります。
ですから、今1,002円で100株の買い注文を出せば、確実に買うことができるでしょう。しかし、1,006円や1,007円での売り注文も多く入っているため、その人たちが妥協し、今後1,001円以下で売ってくる可能性もあります。ですから1,001円以下で買うこともできるかもしれません。
「板」とはこのように、価格ごとの注文状況を一覧した情報です。そしてこれを読んで指値注文を出すことにより、売買不成立を回避しながらも、より良い価格での売買が可能になるのです。
株の売買不成立を肯定的に捉えることも必要
しかし、ただ単に売買不成立を回避すれば良いわけでもありません。
株式投資で利益を出すためには、売買価格がとても重要です。いくら良い銘柄でも、買い値が高すぎれば、得られる値上がり益は少なくなるでしょう。また、少しの値上がりで売ってしまったけれど、その株がその後さらに値上がりしていく、という場合もあります。
大切なのは、妥当な買い値と売り値を、自分自身で判断することです。
ですから、妥当だと思える値で買い注文を出し、それが売買不成立になっても、次のチャンスをじっくり待つ。妥当だと思える値で売り注文を出し、それが売買不成立になっても、同じく次のチャンスをじっくり待つ。焦って不用意に売買を成立させるよりも、売買不成立を恐れずに納得できる価格になるのを待つ心構えも、投資には必要でしょう。
ちなみに、世界一の投資家と称されるウォーレン・バフェット氏も、「投資の世界には、見送りの三振がありません」と語ったそうです。
■まとめ
見極めよう―とにかく売買を成立させるべきか、売買不成立でも構わないのか
株価は需要と供給によって形成され、売り値と買い値が折り合わない場合、その株の売買は不成立となります。それを回避するためには、成行注文をするのが確実です。また、板を読んで注文することで、売買不成立を避けながら、より良い価格での売買を成立させることも可能です。
しかし株式投資で利益を上げるためには、売買不成立を恐れず、妥当な価格での売買にこだわることも必要です。とにかく売買を成立させるべきなのか、価格にこだわり売買不成立でも構わないのか、その見極めが重要です。
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】