コンクリートは湿気に弱い?
条件③:「支保工」の管理をチェックする体制がある
品質の高い生コンクリートがプラント(工場)から建築現場に届いたとしても、そこから始まる施工の各段階で、コンクリートの品質を守る工夫がされていなければ、頑丈な建物にはなりません。打設方法や養生方法次第で、品質が大きく変わってしまうのです。
まず重要なのは受け入れ時の検査や、強度の管理です。例えば、打設後は生コンクリートが設計上の強度になるまで、「型枠支保工」(以下の図表2)という支柱で支える必要があります。十分な強度が出て初めて、この支柱を外すことができるのです。しかし、工期を短縮しコストを圧縮するために、強度が出るのを待たずに、支保工を外してしまうケースが少なくありません。
すると見ないたわみが生じ、脆いコンクリートになってしまいます。そもそも設計強度100%の確認ができなければ、支保工を外してはいけないことになっていますので、違法行為です。
支保工の管理をチェックする体制は不可欠なのです。
条件④:コンクリート強度を守る気温・湿度対策がある
生コンクリートは使われる場所の温度や湿度によって固まり方が異なります。そのため、「コンクリートの養生」といって、コンクリートを練ってから固まるまでの間に適切な温度と湿気の管理をして、十分な硬さが出るよう配慮が必要です。風雨や日差しに対し、コンクリートの露出面を保護することも欠かせません。
レディーミクストコンクリート(=生コンクリート)の日本工業規格JIS、A5308に基づいて、スランプや空気の量などの測定を確実に実施し、コンクリートの耐久性や品質保持に努めていることが望まれます。
また、しっかりと現場への定期的なパトロールを行って、適切な方法が実施されているかをチェックする体制ができているかどうかも重要です。
建物内を通る「管」老朽化に注意!
条件⑤:配管が縦管メインに考えられている
上下水道管やガス管を上下階に通す縦の配管スペースをパイプスペース(PS)といいます。
詳しく分けると、上水、汚水(トイレ排水など)、雑排水(台所、風呂、洗濯などの排水)、ガスの配管が通っています。パイプスペースは、バス、トイレやキッチンなどの水回りの近くにあるのが理想。パイプスペースが一カ所にあり、トイレやキッチンが離れている場合は、床下に横引きの排水管を這わせてつなぐケースがあります。
横引きの配水管は、できるだけ直線で短いほうが良いです。長くて数カ所のクランク(折れ曲がる部分)があると、そこが詰まってトラブルの原因となるからです。
トレイとキッチンが離れている場合でも、それぞれの近くにパイプスペースがあれば、横引きの配水管を設置する必要がないので、パイプの詰まりを回避できます。
極力、横引きの管がないほうがより安全といえます。
条件⑥:給水管がしっかり固定されている
上水はパイプスペースから上がってきて、床下に這わせた塩化ビニルの水道管を通して、必要な場所に送られます。水道管は基本的に動かないように固定されますが、この固定がしっかりとされていないと、水漏れなどのトラブルにつながります。水は蛇口から出すときに大きな力が加わります。ホースを想像すると分かりやすいのですが、しっかり抑えておかなかったために、水が出たときホースの先が勝手に踊り出してしまい、ずぶぬれになったという経験がある人もいるのではないでしょうか。
室内の水道管も同じです。蛇口はひねるたびに、少しずつ振動で動きますので、しっかりと固定しておかないと、亀裂が生じたり、つなぎ目が外れたりといった事態になりかねないのです。特にL字になっている部分は水圧がかかりやすいので注意が必要です。