なかには「男性の乳がんかもしれない」と生検病理検査を受けられた方もおります。笑えない悲劇です。何故生検を行う前に副作用を疑い、薬の使用を中止してみなかったのかと思ってしまいます。
整形外科関係の薬剤によるむくみも要注意です。胸に水が溜まり呼吸が苦しくなられた患者さんは整形外科へは受診されません。内科を受診されることが多い。
その場合内科医はその患者さんがどのような薬を服用されているのかの点検が必要ですし、逆に整形外科医は患者さんにどのような変化が生じているのか当該疾患部位だけではなく、全身にわたる細かな観察を行うべきと思います。
急に血糖値が悪化した患者に、内服薬を聞いてみると…
急に血糖値が悪化された患者さんがいました。いろいろ伺っても血糖値が上昇する生活変化はありません。内服薬を伺うと最近ある新しい薬剤が追加されておりました。血糖値上昇の犯人はその薬剤でした。
便通をよくするだけだから大丈夫だろうと思いがちですが、緩下剤でもある種の薬剤で貧血が生じたり、血圧が下がってしまう作用もあります。頻尿治療の薬で声が出なくなった方もいます。
専門医にかかり検査をしても治らなかった持続する上肢のしびれが、胃酸分泌を抑える薬剤の内服を中止しただけで改善した例もあります。両刃の剣はその特性認識をした上で使用すれば良い効果が出るものです。
※本記事は連載『新・健康夜咄』を再構成したものです。
髙山 哲夫
国民健康保険坂下病院名誉院長
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