宝石や書画、骨董品は金額によって課税される
正解:不用品ならいくら売っても非課税
同じように物を売って収入を得ても、税金の扱いが違うケースがあります。
あまり知られていないようですが、不用品はいくら売っても非課税です。確定申告をする必要もまったくありません。
ここでポイントになるのが、その不用品が「生活用動産か」という点です。生活用動産とは、服や家具といった日常的に使う物をイメージしてください。
では、メルカリやヤフオクなど、個人が気軽に売買できるサービスを利用して、ひんぱんに転売をおこなうケースはどうでしょうか?
この場合、「事業所得」または「雑所得」として扱われます。メルカリからの収入を本業としてバリバリ稼いでいるような人は別として、通常は雑所得になります。雑所得は収入金額から必要経費を引いて計算するので、売上から仕入代金や送料などを引けば、その額を出すことができます。
ここで、前に説明した「20万円ルール」が登場します。今回の設問のケースでは、「メルカリで毎月2万円稼いでいる」ので、年間20万円を超えてきます。そうなると確定申告をして所得税を納めなくてはなりません。メルカリなどの売買では、収入から源泉徴収はされないので、あらかじめ自分で納税資金を用意しておく必要があります。
このように、生活用動産かどうかで、税金の扱いが変わることをまずは理解しておきましょう。この点をふまえると、お金が必要なのであれば、まずは身のまわりの不用品を売ることからはじめたほうがよさそうです。
ちなみに、日常的に使っているものであっても宝石や書画、骨董品、などを売った場合は、金額によっては課税される可能性がありますので注意しましょう。
※本記事は「確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?」(河出書房新社)の一部を抜粋し、2020年12月現在の法令等に合わせ加筆したものです。法改正などにより、内容が変更となる可能性があります。
小林 義崇
フリーライター 元国税専門官
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