12月の製造業PMIは51.9
10ヵ月連続で節目の50超え
■中国国家統計局が発表した20年12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.9となり、前月から0.2ポイント低下したものの、景気の拡大・縮小を判断する節目の50を10ヵ月連続で上回りました。製造業PMIは、中国景気の回復と海外景気の持ち直しを背景に、全体的に安定した回復を続けています。
■一方、12月の非製造業PMIは55.7となり、5ヵ月ぶりに前月を下回りました。小規模なコロナ感染発生で外食などの需要が弱含んだ影響とみられます。
生産、新規受注とも高水準
新規輸出受注が回復傾向
■製造業PMIの内訳をみると、主要な構成指数である生産と新規受注は前月から小幅に低下したものの、依然として高い水準を維持しました。コロナショック後、政府の景気対策で大きく上昇した生産(供給)に対し、需要を反映する新規受注が徐々に追いつく形となっています。
■新規受注のうち、輸出に限った新規受注は51.3と、4ヵ月連続で50を上回りました。経済活動の再開に伴い海外景気が回復してきていることが反映されているとみられます。
中国のGDP成長率は20年+2.2%、21年+8.9%と予想
■12月のPMIは小幅に低下したものの、中国国内外の需要の増加により、製造業の回復基調は継続していると判断されます。新型コロナの感染拡大をほぼ抑え込んだ中国経済は、20年に主要国で唯一プラス成長を確保し、21年はさらに力強く成長する見通しです。弊社は中国の実質GDP成長率(前年比)を20年が+2.2%、21年は+8.9%と予想しています。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中国PMI、製造業の回復基調は継続』を参照)。
(2021年1月5日)
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