本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

アジア株は新型コロナで急落後、上昇基調に

新型コロナの影響により回復力に差

 

■2020年のアジア株式市場は、新型コロナの感染拡大に伴う経済活動停止により3月にかけて急落しました。しかし、各国・地域の積極的な金融・財政政策や、経済活動再開の動きを背景に、アジア株式市場は反発し、4月以降は上昇基調に転じました。11月にはコロナワクチンの早期実用化観測が高まり、年末にかけて一段高となりました。

 

■ただ、年初来騰落率をみると、新型コロナの影響度合いにより、各国・地域の市場で株価の回復力に格差が生じました。

 

(注1)データは2020年1月1日~2020年12月25日。 (注2)2020年1月1日を100とした指数化表示。 (注3)株価指数:インドネシア:ジャカルタ総合、マレーシア:KLCI、タイ:SET、フィリピン:フィリピン総合 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
アジア各国・地域の主要株価指数 (注1)データは2020年1月1日~2020年12月25日。
(注2)2020年1月1日を100とした指数化表示。
(注3)株価指数:インドネシア:ジャカルタ総合、マレーシア:KLCI、タイ:SET、フィリピン:フィリピン総合
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

中国、韓国、インドなど堅調

ASEAN4は相対的に出遅れ

 

■新型コロナ感染の封じ込めにいち早く成功した中国や台湾は、7月には感染拡大前の昨年末水準を回復し、その後も上昇しました。また、新型コロナに対応した生活様式の変化のなかで、業績が堅調な「情報技術セクター」を多く抱える台湾や韓国、インドは過去最高値を更新しました。

 

■一方、新型コロナによる景気減速の影響を大きく受けたASEAN4(インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン)の株価の戻りは相対的に出遅れました。足元でマレーシアを除き、昨年末水準に届いていません。

 

(注1)データは2020年1月1日~2020年12月25日。 (注2)2020年1月1日を100とした指数化表示。 (注3)株価指数:インドネシア:ジャカルタ総合、マレーシア:KLCI、  タイ:SET、フィリピン:フィリピン総合  (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
ASEAN4の主要株価指数 (注1)データは2020年1月1日~2020年12月25日。
(注2)2020年1月1日を100とした指数化表示。
(注3)株価指数:インドネシア:ジャカルタ総合、マレーシア:KLCI、タイ:SET、フィリピン:フィリピン総合
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

アジア株式市場は業績相場への移行を期待

■2021年の世界経済は、新型コロナワクチンが普及していくことに伴い、回復することが見込まれます。ただし、需給ギャップが残るためインフレ圧力は高まらず、各国・地域の中央銀行は、大規模な金融緩和を継続するとみられます。低金利環境の長期化と金余りで投資家のリスク選好姿勢が継続するなか、景気回復とそれに伴う企業業績の改善から、アジア株式市場は本格的な業績相場へ移行することが期待されます。


 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年のアジア株式市場の振り返りと見通し』を参照)。

 

(2020年12月29日)

 

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2020年12月21日 2020年の米国株式市場の振り返りと見通し

2020年12月11日 2020年のインド株式市場の振り返り

 

 

 

 

 

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