1.寄与分の算定方法として、まずは要介護認定に応じた介護報酬被相続人の要介護度に対応する要介護認定等基準時間の訪問介護費に療養看護の日数を乗じる方法で算定する。
2.子が痰の吸引を行っていたことについては訪問介護費より高額な訪問看護費として算定されるべきものとする。
3.上記1,2を前提とし、さらに裁量的割合として、0.7を掛けた金額を寄与分として評価する。
まず、1について裁判所は、
「被相続人は,遅くとも平成21年●月●日から平成22年●月●日まで要介護4,同年●月●日から要介護5と認定されていたところ(認定事実ア),要介護度の認定がされている場合に,被相続人の要介護度に対応する要介護認定等基準時間の訪問介護費に療養看護の日数を乗じる方法は,要介護5の場合に,その介護時間を120分以上150分未満とみることも含めて,被相続人に対して看護又は介護の資格を有している者が介護するのに要する時間を算定する方法として,一定の合理性があるというべきである。」
と述べて、介護報酬基準に基づく算定方法によるべきことを示しました。
子の主張「早朝や深夜も介護時間に含めて算定すべき」
次に2について、子は、早朝や深夜も介護していたことを介護時間に含めて算定すべきと主張しましたが、これについて、裁判所は
「被相続人と相続人の身分関係に基づいて通常期待されるような程度の貢献は相続分自体において評価されているというべきであり,寄与分は,これを超える特別の貢献をした場合に,相続人の行為によって被相続人の財産が減少することが防止できた限度で認められるものであって,相続人が,被相続人の療養看護をした場合であっても,相続人が行った介護について被相続人に対する報酬請求権を認めるものではないから,相続人がした全ての介護行為について,被相続人が資格を有する第三者に介護を依頼した場合と全く同額の報酬相当額を寄与分として算定することは相当ではない。」
と判断して、その主張は認めませんでした。
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