日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点を当てるのは「お正月」。お年玉、お賽銭、お餅……正月にまつわる風習から、地域性を垣間みることができます。

都道府県にみる、お賽銭をいっぱいあげているのは?

またお正月の風習といえば、初詣。今年は、外出自粛でお正月に初詣に行くのを控えている人も多いかもしれませんが、初詣に欠かせないのがお賽銭です。

 

ここでも「お賽銭、いくらくらいが妥当か」悩むところです。多額のほうがご利益がありそう、と考える人もいれば、「縁起が良さそうだから5円」という人もいるでしょう。一年の運を左右しそうなので、色々と悩むところでありますが、こちらも家計調査から支出額をみていきます。

 

注目するのは、1月の「寄付」の項目。時節柄、初詣のお賽銭とイコールと考えられます。過去5年の全国平均をみていくと、263.2円。家族構成の平均が2~3人ですから、100円玉をポーンと投げ入れているイメージでしょうか。

 

さらに都道府県別にみていくと、トップは「大分県」で824円。2位は「鳥取県」で794円、3位は「長崎県」で769円。「栃木県」647円、「北海道」631円と続きます(図表3)

 

出所:総務省「家計調査」二人以上世帯1月寄付金額より作成
[図表3]都道府県「お賽銭」支出額上位10 出所:総務省「家計調査」二人以上世帯1月寄付金額より作成

 

一方で最も支出額が少ないが「宮崎県」で2円。「香川県」17円、「富山県」18円、「三重県」24円、「石川県」27円と続きます。

 

家計調査では抽出世帯によってブレが生じますが、「宮崎県」は過去5年の支出額をみても、1~3円なので、やはりお賽銭の支出額は少なめ、という傾向にあるようです。

都道府県にみる、お正月に餅をいっぱい食べるのは?

もうひとつ、お正月といえば「餅」です。そもそもお正月に餅を食べるという風習が始まったのは、平安時代。宮中で健康と長寿を祈願する正月行事「歯固めの儀」に由来します。また長く伸びて切れないことから、長寿を願う意味もあり、1年の無病息災を祈るものとして、全国に広まったといわれています。

 

また地域ごとに違うのがお雑煮。地域ごとに使う食材が違うことはもちろん、家庭ごとに味が違ったりとさまざま。

 

民俗学的によくいわれるのが、東日本は角餅で、西日本は丸餅。関西は白味噌ベースで、そのほかは醤油ベースのすまし汁。また一部四国など、あんこの入った餅を入れる地域も。各地のお雑煮を集めた本も色々出ているほどですから、お雑煮の多様性はすごいものがあります。

 

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