今回は12月10日に公表された『令和3年度税制改正大綱』を解説していきます。※税制改正大綱は税制改正の素案となるものであり、おおむねこの通りの改正がされることがほとんどですが、100%確実ではありません。

「相続や贈与」はどう変わるのか?

■資産課税

 

①納税義務者と課税財産の範囲の見直し

いわゆる非居住者が、相続開始時点で国内に居住する在留資格を有する者から相続等により財産を取得する場合には、課税対象財産は国内財産に限定され、国外の財産については課税しないこととされます。

 

※現行の取扱については国税庁のHPを参照ください。

 

②直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置

令和3年4月1日から同年12月31日までの間に契約を締結した場合における非課税限度額が下記の金額に引き上げられます。

 

※上記の非課税限度額は、耐震、省エネ又はバリアフリーの住宅用家屋に係る非課税限度額であり、一般の住宅用家屋に係る非課税限度額は、それぞれ500万円を減らした額

 

③直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置の改正

信託設定期間中に贈与者が死亡した場合において、相続税が課税されるケースは3年以内贈与に限定されていましたが、設定期間中の相続は全て対象となりました。ただし、受贈者が一定の要件に該当する場合(23歳未満である、学校等に在学中、教育訓練を受講している場合)については、従前どおり相続税の課税対象外とされます。この改正は令和3年4月1日以後の信託等により取得する財産が対象です。

 

④直系尊属から教育資金・結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置の改正

教育資金の一括贈与と結婚・子育て資金の一括贈与について、信託設定期間中に贈与者が死亡した場合で相続税の課税がされるケースについても、相続税額の2割加算の対象外とされていましたが、判定対象にも含まれることになりました。この改正も令和3年4月1日以後の信託等により取得する財産が対象です。

 

※上記③及び④の従前の制度内容については国税庁のHPを参照ください。

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